「お姉さんと『かわいいですね』『そうなんです、かわいいですよね』」

　絵本作家として活動しているきたがわさん。読むと自然に噛む練習にもなり、楽しいごはん時間につながるよう思いを込めて描いたという最新刊の赤ちゃん絵本「もぐもぐかめかめ」（教育画劇刊）をはじめ、「おもちちゃん」（アリス館刊）など多くの作品を発表しています。

「絵本を作るときは、子どもたちにとってうれしいこと、おもしろいことはなんだろうと常に考えるようにしています」と語り、愛らしいタッチで描かれた楽しい作品が人気です。

　仕事柄、個展などのお知らせを郵送する機会が多く、切手をよく使うといいます。かわいい切手をいつもストックしていて、郵便料金が変わると、ストックを使い切るために細かい値段の切手を買いに行くことがあるそうです。

　10月1日に郵便料金の値上げがあり、話題のやりとりが生まれました。窓口のお姉さんの提案が「ものすごく、かわいくて」投稿せずにはいられなかったようで、当時の心情や購入時の詳しい会話を明かします。

「かわいいクマちゃん！　言い方がかわいい！　っていうか、そのおじいさんは確か、郵便の偉い人だったはず……！　おじいさん……！　かわいい!!　と、私の中でかわいいが大渋滞して（笑）。もちろん、局員さんが前島密さんをご存じなかったわけでなく、私にわかりやすいように『おじいさん』と言ってくださったんだと思います。持ってきてくれたクマちゃんは本当にかわいくて、お姉さんと『かわいいですね』『そうなんです、かわいいですよね』とにっこり言い合いました」

驚きの偶然も！　「密さんと局員さんとぽすくまちゃんが、郵便だけでなく…」

　大きな反響を呼んだ投稿には、さらに驚きの偶然もあったと、きたがわさんは話します。実は、購入した切手を個展のお知らせはがきに貼ったのですが、その個展のテーマが「お手紙と郵便局」だというのです。きたがわさんは、話題になった投稿のツリーで、その個展についてのお知らせもしました。

「『郵便局でバズった投稿で、個展「おりがみおてがみ展・もぐもぐかめかめ展」のお知らせをすることになるとは……』と、そこもびっくりしました。密さんと局員さんとぽすくまちゃんが、郵便だけではなく投稿まで届けてくださっている……さすが届けるプロ……と大きな敬意と拍手を送りつつ、みなさんの反応を楽しく拝見しています」

　そんな縁もあって、きたがわさんが手にした愛らしい1円切手は、今回の案内状にぴったり。すでに30枚は使ったといい、「古い切手がなくなったのでしばらく使い道がなさそうですが、また料金が変わったときや、ここぞ！　というときに使いたいと思います」と楽しそうに教えてくれました。

　話題のきっかけにもなった個展「おりがみおてがみ展・もぐもぐかめかめ展」は、11月2日（土）～16日（土）に、東京都大田区の書店・葉々社で開催されます。YouTube作品「おりがみおてがみ」のほか、噛むことの大切さが伝わる赤ちゃん絵本「もぐもぐかめかめ」の原画も展示される予定です。芸術の秋を楽しむ機会としても、足を運んでみたいですね。

（Hint-Pot編集部）