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「生活者の日常に影響」はこれから? 専門家や事業者が語る「物流の2024年問題」の現状とは
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個人の利用者ができる対応は「『賢い受け取り方』を選択する」こと
置き配などの活用で再配達を減らしたほうが、結果的に利用者にもメリットがあるという意識を持つ人は多いでしょう。ちなみに、2023年に「Hint-Pot」とYahoo!ニュースが共同連携企画で行った置き配に関する意識調査では、「あなたは自宅などに不在の際、置き配を利用したいと思いますか?」の問いに、置き配肯定派は計65.6%でした。同様の意識調査は多く、昨今も「置き配利用の意向」について同じくらいの結果が多いようです。
実際の置き配利用率について、ヤマト運輸ではEC向け配送商品「EAZY」での置き配指定率は、サービス開始の2020年度18.4%から2023年度には37.3%に上昇。工藤さんによると、今年6月10日から「EAZY」だけでなく「宅急便」「宅急便コンパクト」にも拡大した置き配サービス(クロネコメンバーズ会員限定)により、置き配指定個数はさらに増えているといいます。
「置き配による一番のメリットは、お客様が一度で荷物を受け取れることです。また、結果的に再配達の減少により、温室効果ガス排出量の削減や、ドライバーの負担軽減にもつながります」と話す工藤さん。一方で、置き配については荷物の盗難や破損といった懸念を持つ人が少なくありません。利用者が拡大するなか、そうした不安要素への対策はあるのでしょうか。
工藤さんは「置き配でも時間帯指定が可能なため荷物が長時間、置かれたままにならないような指定が可能です。また、お届け状況の写真をお客様に送信。タイムリーにデジタルコミュニケーションを行い、確認いただけるようにもしています」と話し、会員限定サービスになっている背景を説明しました。
宮武准教授は、こうした懸念を軽減するサービスを活用するためにも、利用者が受け取り方の選択を意識し、さまざまなサービスがあることを知るのも大切だと指摘。
「置き配やロッカー利用のほか、高額なものであれば対面やコンビニ受け取りを選択。荷物の性質によって適切な受け取り方を意識するのも、利用者の協力になります。行政は『賢い受け取り方』を選択するよう推奨していて、心配や不便を我慢して利用するのではなく、多くの選択肢の中から最適な受取り方を選ぶ“使い分け”をしてほしいですね」
そうした宮武准教授の意見と同様、工藤さんも多様な受け取り方を利用者に活用してほしいと話します。
「置き配に限らず『一度で荷物を受け取れる』快適さを提供するのが、お客様の満足につながるという考えです。今後も時代ごとに、お客様のニーズに合った受け取り方をお選びいただけるよう、努めたいと思います」
意識することは少なくても、日常生活に欠かすことができない物流。業界内の労働環境が適正化され、健全かつ快適に利用するために、荷物に合った賢い受け取り方の選択を考えたいですね。
調査概要:2023年10月19日に、全国の10代~60代以上のYahoo!JAPANユーザー2000人を対象に調査実施
回答者の性別:男性64%、女性35%、その他1%
回答者の年齢構成:10代1%、20代4%、30代13%、40代29%、50代32%、60代以上20%、年齢を教えたくない1%
(Hint-Pot編集部・鍬田 美穂)