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タワマンマダムの不安 宅配ボックス不足の思わぬ影響が…玄関先に見知らぬ人影
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教えてくれた人:姉帯 裕樹
国土交通省のデータによると、令和3年度(2021年度)の宅配便取り扱い個数は何と全国で49億5323個。コロナ禍で宅配便の利用者が増えた2020年から2.4%増加し、今後も増加傾向は続くとみられています。指定場所に置く「置き配」の普及もあり、宅配ボックス(ロッカー)を設置する集合住宅は一般的に。ただし今回のタワマンマダムは、“宅配ボックス不足”からまさかのお悩みが生じたようです。東京・中目黒で「コレカライフ不動産」を営む不動産のプロ、姉帯裕樹さんのアドバイスとともにお届けします。
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コロナ禍の少し前くらいから宅配ボックスの使用率が上昇
今年50歳の澤村志乃さん(仮名)は10年ほど前、都心に建つタワーマンションで暮らし始めました。「住むならタワマンでなければ!」といったこだわりは皆無でしたが、配偶者さんが経営する会社のすぐ近くであることや、近隣にスーパーマーケットがあり生活が楽そうだったことなどから引っ越しを決めたそうです。
配偶者さんは仕事や接待、遊びで忙しく動き回るタイプで、家にいるのはほぼ夜のみ。そのため、必要なものを通販で買うことが多く、マンション1階にある宅配ボックスを頻繁に利用していました。
「宅配ボックスの数は全部で30ほどでしょうか。引っ越してきた頃は使う人がほとんどいなかったので、スムーズに利用できていました。変化が訪れたのは、コロナ禍になる少し前くらいから。宅配を利用する方が大変な勢いで増え、あっという間に宅配ボックスが満杯になる状態が続いています。
300戸以上あるタワマンなので、足りないのは必定です。しかも、スペースの関係で増やすことはできないらしくて。もちろん、私がすべての荷物を受け取れるといいのですが、買い物や習い事などで外出するため、ずっと家にいるわけにはいきません。置き配可であることを管理人に伝えれば共用部のカギを開けてもらえるマンションだったため、夫と相談し、部屋の玄関前に置いてもらうことにしました」
しかしそれから数か月後、ある出来事が起こりました。志乃さんがタワマンに帰宅すると、部屋の前に佇む人影が。配達員には見えなかったため、そっと近づくことにしました。するとその誰かは、玄関前に置かれた荷物を一つひとつ手に取り、中身を確認するように手で振るような動作を繰り返したのです。
「たぶん同じフロアの住人だと思うのですが、他人の荷物を手に取ること自体が失礼な行為だと思い、すぐに『勝手に触らないでください』と声がけしました。相手は慌てて荷物を置き、すぐに逃げていきましたが、それからは怖くて、玄関先の置き配を頼むこともできなくなってしまいました。
仕方なく、夫にはすべての荷物で配達日時を指定してもらい、私ができる限り在宅して受け取るようにしています。ですが、面倒で仕方ありません。宅配ロッカーの数をどうにか増やしてもらうよう、どこかにかけ合うしかないのでしょうか……」