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シジミ殻をお椀のフタに出すのはマナー違反? スマートなお椀の扱い方とは
公開日: / 更新日:
教えてくれた人:和漢 歩実
そもそもお椀のフタの役割とは
お椀にフタがある理由は、料理を保温したり、ホコリから守ったりするためといわれています。また、料理をおいしく提供するための心遣いとして生まれた器ともいわれ、視覚や嗅覚でも味わうことが意図されています。
そのため、フタを取ったらすぐに食べ始めるのではなく、フタを開けたからこそ引き立つ香りや具材の見た目も楽しみ、ひと呼吸置いてから食べるのがスマートです。
また、お椀でアサリやシジミの汁物が出た場合、食べたあとの殻をフタに出すのは見た目が良くなく、フタを傷つける可能性もあります。貝殻は外に出さず、お椀の中に入れたままにしておくのがマナーです。
食べ終わったらフタは元通りにするのがマナー
食べ終わったら、フタは出されたときの状態でお椀に戻します。お店の人への「食べ終わった」という合図のために、お椀のフタを逆さに戻したり、少しずらしてフタを置いたりする人もいるかもしれませんが、その必要はありません。元の状態に戻しましょう。
お椀のフタは「置くときは逆さに、戻すときは元通りに」ということを心がけておくと良いでしょう。和食の器は料理の一部。傷つけてしまわないように扱いましょう。
相手への気遣いを持っておいしく味わおう
和食は、お椀のフタひとつにも奥深さがあるなど、配膳から箸の使い方、食べる順番までさまざまなマナーが存在します。とはいえ、あまりにも“正解”を気にしていると、せっかくの食事が味気ないものになってしまうことも。
マナーとは相手への気遣い。食事の際は、周囲の人が不快にならないようにするための心配りという点を押えて、使われている漆器にも心を持って優しく接し、おいしく食べましょう。
(Hint-Pot編集部)