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料理レシピに書いてある「酒」 料理酒を入れるのはNG? 上手に使いこなすコツを聞いた
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教えてくれた人:和漢 歩実
レシピを参考に和食料理を作る際、使う調味料に「酒」と書いてあることがあります。料理酒なのか、それとも普通の酒を使うべきか迷うことも。いったい、どんな違いがあるのでしょうか? いまさら聞けない、料理に使うときの酒について、栄養士で元家庭科教諭の和漢歩実さんに伺いました。
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料理酒と清酒の大きな違いは「食塩の有無」
「料理酒」と「清酒」。どちらも「酒」の文字がついていますが、まったくの別物です。一般的に、料理酒と呼ばれるものは料理に特化した調味料で、米や米こうじのほかに一定量の食塩が含まれています。一方で、清酒とは飲むために作られたお酒、いわゆる日本酒のことです。米や米こうじ、水などを使い、食塩は含まれていません。
料理酒は、醸造調味料と表記される場合があります。もちろんアルコールが含まれていますが、製造工程で塩を加え、発酵させることでお酒として飲めなくする「不可飲処置」を施しています。そのため、酒税がかかる「酒類」ではなく「食品」として販売が可能。清酒よりも比較的安価で手に入れることができます。また、調味料として料理にコクや旨味をプラスするため、製造時に生じる酸味や雑味をあえてそのまま残していることが多いです。
清酒は、種類によって異なりますが、味のバランスやキレの良さなど、飲んだときに味わい良くなるよう仕上げるため、雑味を抑えて作られています。アルコール度数は22%未満で、原料や製造方法などの違いにより吟醸酒、純米酒、本醸造酒にわけられます。料理に使うには一般的に、お米の甘味が凝縮された純米酒がおすすめです。
和食のレシピで酒と記載があれば清酒を使う
料理のレシピに「酒」と記載されていたら、基本的には清酒を使ってください。料理酒も酒だからと同じ分量を使ってしまうと、料理が塩辛い仕上がりになってしまいます。清酒がなく料理酒で代用したい場合は、塩分量を減らしましょう。味をみながら調節していくと良いです。
料理酒は、照り焼きや煮物、炒め物などに使うと、こってりとしたコクのある味わいに仕上がります。清酒は、煮つけや酒蒸しなどで使うと素材そのもののおいしさを引き立ててくれるでしょう。
調味料としての酒の存在は大きい
清酒でも料理酒でも、料理を作る際に調味料として「酒」を用いると、料理がワンランクアップします。酒に含まれる米由来の有機酸やアミノ酸などが、食材の臭みを消すほか、保水性を高めてふっくらとおいしくなるでしょう。
たとえば、魚であれば特有の生臭さがなくなり、肉であれば加熱で硬くなるのを防いでやわらかく仕上がります。また、アルコールは食材に素早く浸透する性質があるので、酒を用いることでほかの調味料や旨味成分も食材に染み込みやすくなります。
和食を作る際、調味料を使う順番として「さしすせそ」という言葉があります。「さ」は砂糖、「し」は塩、「す」は酢、「せ」はしょうゆで、「そ」はみそを指しますが、酒も「さ」で、調理の最初に使うと効果的。そうすることで、食材の煮崩れも防げます。
アルコール分が飛ばないように、使用後はキャップをきっちりと閉めましょう。市販されている料理酒の場合、すぐに使い切らないときは冷蔵庫で保存したほうが風味をキープできます。料理をおいしく仕上げる「縁の下の力持ち」として、手軽に使える調味料です。上手に使いこなしたいですね。
(Hint-Pot編集部)