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「今ユニクロにいるんだけど…」 聴覚障がい者が体験した“神接客”に感動の声「これぞグローバル企業」
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ユニクロの店員に耳が聞こえないことを伝えたら、手話で返され驚いた――。店員との思わぬ交流をつづった聴覚障がい者の投稿が、SNS上で話題をよんでいます。投稿者は手話講師として活動しているろう者のラファエルRafael(@MRAFAEL0324)さん。いったいどんなやり取りがあったのでしょうか。詳しい話を聞きました。
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フィリピン生まれで生まれつき耳が聞こえず、日本語も手話もできず、大変苦労したという投稿者
「今ユニクロにいるんだけど、耳が聞こえないことを手話で店員さんに伝えたら、『何を注文しますか?』と手話で返されてびっくりした。思わず『手話!?』って大きく手話で反応しちゃった笑 その後、いつ手話を学び始めたの? など、いろいろ会話した!」
今月12日の投稿には、ユニクロの店員から手話で返され驚いたというラファエルRafaelさんの実体験がつづられています。続く投稿では「以前は、いつもスマホを使って『耳が聞こえないです』と伝えていました。しかし、多くのアメリカ人のろう者がスマホを使わずに手話で『耳が聞こえない』と伝えている動画を見て、私も手話で伝えようと思うようになりました。それ以来、スマホを使わずに手話で『私は耳が聞こえません』だけと伝えるようにしています。どうしても通じない時だけ、スマホを使うようにしています」と経緯に触れつつ、「ユニクロの店員さんが手話をできるとは思いませんでした! その女性は5年以上手話を学んでいるそうで、驚きました!」と報告しています。
一連の投稿は、4500件を超えるリポスト、12万件の“いいね”を集めるなど話題に。「ユニクロの店員さんすごいね!」「これぞグローバル企業!」「どんなお客さんにも対応出来る様に、英語、中国語は最低限更には手話とはプロ意識の高い店員さんですね」「ユニクロは障害者雇用にも積極的なんだよね。なので、店員さんの意識は高いのかも」「客寄せでもいい。イメージ戦略でもいい。これで明らかに世の中進歩したし、みんなが微笑んでいる」など、感動の声が広がっています。また、「最初から筆談だと、お客さんが手話を話せるのか分からなくて結局私も筆談になっちゃうから、ありがたいかも」といった店員目線の声も寄せられています。
生まれつき耳が聞こえないというラファエルRafaelさん。フィリピン生まれで、6歳のとき日本に移住、日本のろう学校に入学した際には日本語も手話もできず、大変苦労したといいます。「口話ができるようになりたくて、毎日放課後に先生と発音の練習をしたけど、結局うまくいきませんでした。いろいろと苦しんだけど、今は皆さんのおかげで幸せな生活を送っています」。現在は対面やオンライン形式で、手話講師として活動しているといいます。
一連の反響について「投稿した時はここまで反響があるとは思っていませんでした。普段の何気ない出来事がこんなにも多くの方に届いたことに感動しています。反響を通じて、日常の中のちょっとした出来事が、人と人をつなぐ力を持っているんだなとあらためて思いました。『自分も手話を学びたい』というコメントも多くいただき、手話がもっと広がっていくきっかけになればと感じています」とラファエルRafaelさん。
「手話が言語として認められたのは2000年代なので、まだ知らない人がたくさんいるのは仕方ないと思います。手話を広めるには、私の力だけでは厳しい。皆さんの力も必要です。耳が聞こえない人とのコミュニケーションが特別なことではなく、誰にでもできるものだと感じてもらえたらうれしいです。また私のような体験が、もっと多くの場所で広がっていくといいなと思います」と話しています。
(Hint-Pot編集部/クロスメディアチーム)