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耳が聞こえない女性 駅の音を文字化する「エキマトペ」を体験した漫画に16万人感動

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

漫画のワンシーン【画像提供:うささ(@usasa21)さん】
漫画のワンシーン【画像提供:うささ(@usasa21)さん】

 日本語の特徴として挙げられるのは、擬態語や擬音語、擬声語を指す「オノマトペ」が多いこと。そんな日本で今話題になっているのが、駅のアナウンスや電車の音などの環境音を文字と手話、オノマトペで視覚的に表現する装置「エキマトペ」です。川崎市立聾学校の児童たちのアイデアから生まれたこの装置は、6月15日から12月14日までJR上野駅(東京都台東区)の1・2番線で実証実験が行われています。聴覚に障害を持つ人にとっては、実に画期的な装置のようです。実際に体験し世界観が大きく変わった女性の漫画が、16万件以上もの“いいね”を集める大反響を呼んでいます。作者のうささ(@usasa21)さんにお話を伺いました。

 ◇ ◇ ◇

子ども時代に知ったオノマトペと聞こえた音を照合 “正解の音”とは…

 生まれつき耳に障害を持つうさささんは、娘さんの育児や耳が聞こえないことによる体験談などを漫画で描き、SNSやブログ「うささかふぇ」で発表。子育て情報誌「kodomoe(コドモエ)」のウェブ版でも、「耳がきこえないママときこえるムスメのおはなし。」を好評連載中です。

 そんなうささんは先日、音の視覚化装置「エキマトペ」と出合い大きな感動を覚えました。今回ご紹介する作品は、そのエピソードを綴ったものです。

 耳が聞こえないうさささんは普段、補聴器を通じて音を聞いています。補聴器の使用者には聞こえ方に個人差があり、うさささんの場合は聞こえてきた音の正体や出どころが分かりません。人であれば状況や口の動きで予測できますが、サイレン音以外の環境音などはまったく分からないそうです。

 そんな状況の中、うさささんは子どもの頃に漫画で知ったオノマトペを聞こえてきた音と照らし合わせ、予測していったのです。つまり、うさささんは実際のところ、“正解の音”を知りません。

 そして、アナウンスをはじめ環境音が複雑に入り乱れる駅となると、音への理解はさらに遠いものとなります。看板さえ見れば最低限必要な情報が分かり、一つひとつの音について人に教えてもらう必要もないと考えるからです。

 聞こえない私がすべての音を知るなんて夢物語のよう……うさささんは駅に佇みながら、そう思っていました。

「エキマトペ」によって聴者に近い形でホームに立てた

 ところがある日、駅で目にした「エキマトペ」がうさささんの世界を劇的に変えます。

 電車の到着に合わせて、エキマトペの液晶画面には手話と文字、オノマトペによってアナウンスや環境音がリアルタイムで表示されます。これによってうさささんは“正解の音”を知るとともに、「ご乗車ありがとうございます」の一言がホームで流れていることにも衝撃を受けました。

“正解の音”を知ったうさささんはこの時、「聴者にとても近い形でここ(ホーム)に立っているのだな」と大きな感動に包まれたのでした。そして、最後にうさささんが帰路につく電車に乗った際、胸に抱いた思いとは……。

 この作品が2編にわたりツイッター上で公開されると、合計で16.3万件もの“いいね”を集めました。リプライ(返信)には、「素敵なお話をありがとうございました」「心をぎゅっと掴まれるような内容ですごく感動」「未来に希望を感じる、大変良い作品でした」といった声が。うさささんの作品は多くの人の胸を打ったようです。

 さらに、「これは新しい試みで良いですな」「この情報をもっと知ってほしい」「全駅に置いてほしい」など、「エキマトペ」の普及を求める声も多く寄せられています。

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