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更年期世代が「ヒジキ」を食べた方が良い本当の理由 栄養士が解説
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教えてくれた人:和漢 歩実
便秘解消や骨の健康にも
ミネラル豊富で、美髪のイメージがあるヒジキですが、更年期世代が気になる骨の健康や便秘の解消にも役立ちます。栄養成分を具体的に説明すると、骨の健康に役立つカルシウムやマグネシウム、貧血予防の鉄、そして便秘解消が期待される食物繊維などが豊富に含まれているからです。産地や製法によって含有量が異なりますが、カルシウムや鉄を効率良くとるためには、次のポイントを心がけましょう。
○ステンレス釜よりも鉄釜のヒジキを選ぶ
日本食品標準成分表2020年版(八訂)によると、ステンレス釜で煮たヒジキよりも、鉄釜を用いたヒジキの鉄の含有量は約9倍です。とくに貧血が気になる人は、鉄釜のものを選ぶと良いでしょう。
○ビタミンDやビタミンKを含む食材と一緒に
ビタミンDやビタミンKは、カルシウムの吸収を助けてくれるので骨の健康に役立ちます。ビタミンDを多く含む食品は、魚やシイタケなどキノコ類です。ツナやサバ缶、シイタケなどのキノコ類をヒジキの煮物の具材として使うのも良いでしょう。ビタミンKを多く含む代表は納豆です。付属のタレを使わずに、ヒジキの煮物を合わせるのもおすすめです。
○たんぱく質やビタミンCが多い食材と一緒に
たんぱく質やビタミンCには、ヒジキの鉄(非ヘム鉄)の吸収を促す働きがあります。非ヘム鉄は吸収されにくい特徴があるので、一緒に食べると良いでしょう。卵をはじめ、大豆や肉などたんぱく質が多いもの、小松菜などビタミンCを多く含む野菜と一緒に食べましょう。
○甘味の調味料としてオリゴ糖を使う
腸内環境を整える効果があるオリゴ糖を調理で使うと、ヒジキの食物繊維と相乗効果が期待できます。オリゴ糖の甘さは砂糖の3分の1なので、砂糖と併用するのも良いでしょう。
ヒジキは水洗いや水戻しをするのが基本
乾燥のヒジキは、たっぷりの水に20~30分浸けて戻して水洗いします。その後、ザルにあげて水を切って調理しましょう。戻す時間がないときは、ヒジキと水を耐熱容器に入れ、レンジで加熱して戻す方法もあります。
ヒジキを食べる際にヒ素が気になる方もいるかもしれませんが、ヒジキのヒ素は水洗いや水戻しで減らすことができます。また、過剰な量を食べない限り、体に害を及ぼすことはありません。気になる場合は、ヒジキを水に浸して戻したあと、沸騰した湯で5分ほどゆでこぼすと良いでしょう。
ヒジキは、縄文~弥生時代の遺跡などで発見されており、日本で古代から食べられてきた食品です。適量を食卓に取り入れて、栄養メリットを摂取し、更年期を健やかに過ごしたいですね。
(Hint-Pot編集部)