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丁寧なつもりがマナー違反になっていることも コース料理のスープの食べ方 残り少なくなったらどうするのが正解?
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フレンチのレストランでコース料理を食べる際、メイン料理の前にスープが提供されることが多いでしょう。スプーンを使って飲みますが、丁寧なつもりの所作がマナー違反になっていることも。意外にやりがちなスープにまつわるNG行為を、栄養士で元家庭科教諭の和漢歩実さんに伺いました。
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息を吹きかけて冷まそうとするのはNG
フランス料理のコースで提供されたスープをすくうとき、スプーンは手前から奥に動かします。スープの熱さが気になる際、フーフーと息を吹きかけて冷ますのはマナー違反なので、注意してください。慌てず少し時間をおいて食べましょう。
また、スプーンを口に運ぶとき、もう一方の手(左手)をスプーンの下に添える行為は、丁寧に感じるかもしれませんが、しないほうがスマートです。左手は、皿の端に添えましょう。体とテーブルとの間隔を広くせずに座って、スプーンの満杯まですくおうとせずに、すくう量を3分の2程度にとどめるとこぼれることはありません。
スープは吸わない 流し込むのが“正解”
日本人がうっかりやってしまいがちなことは、音を立ててスープをすすってしまうことです。スープは吸わずに流し込むものだとイメージすると、飲みやすくなるでしょう。スプーンは縦からでも横からでも、飲みやすいほうで口元へ運びます。
音を立てず、こぼさないように気を使うあまり、お皿に顔を近づけたり、前屈みになったりして姿勢が乱れるのはスマートではありません。姿勢を正したまま、スプーンを口元へ運んで飲みましょう。
ちなみに、スープパスタが提供される場合、スプーンとフォークが用意されます。パスタはフォークだけで巻いて食べ、スープを飲むときは一度フォークを置き、スプーンを右手に持ち替えて飲むのがマナーです。パスタを食べる際に左手にスプーン、右手にフォークを持って麺を巻いて食べるのは、日本だけといわれています。
量が少なくなったら皿を傾けてすくう
スープの量が少なくなってきたら、スープ皿を手前に傾けて、手前から奥へすくうようにしましょう。お皿を持ち上げて、口をつけて飲むことはしないでください。食事を残すのは基本的にマナー違反ですが、スープの場合は器の底に少し残っていてもかまいません。むしろ、残り少ないスープをかき集めようとすると、スプーンで音を立てることにつながります。マナー違反になりますので気をつけましょう。
器に残ったスープをパンで拭って食べるのもマナー違反です。カジュアルなお店で周りの人も行っているなら許されますが、フォーマルな席ではやめましょう。飲み終わったら、スプーンは戻さず、受け皿の上に置きます。
あまりにも気を使いすぎてしまうと、緊張してせっかくの料理を楽しめません。スープを飲むときは「音を立てない」ことが大切。基本を押さえておけば、余裕を持って過ごせます。本来、マナーとは周囲の人が心地良く食事ができるための配慮だということを忘れずにいると良いでしょう。
(Hint-Pot編集部、和漢 歩実)
和漢 歩実(わかん・ゆみ)
栄養士、家庭科教諭、栄養薬膳士。公立高校の教諭として27年間、教壇に立つ。現在はフリーの立場で講師として食品学などを教える。現代栄養と古来の薬膳の知恵を取り入れた健やかな食生活を提唱。食を通して笑顔になる人を増やす活動に力を注いでいる。
ブログ:和漢歩実のおいしい栄養塾