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「日本はどこに行っても人が多い」 それでもハワイの人が行ってしまう人気の温泉地とは
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ハワイのロコに人気の箱根
その友達ファミリーが向かったのは、日本。過去2回のコラムでもお伝えしましたが、2024年、ハワイのロコ(地元民)から人気だった旅行先は、圧倒的に日本です。
日本旅行で多くのロコが訪れるのは、東京や大阪、京都といった都市部はもちろんですが、箱根もかなり人気。その友達一家は、1泊1人約650ドル(約9万7000円)もする箱根の温泉宿に2泊したそうです。
私が最後に箱根を訪れたのは、20年以上前。当時の箱根は観光客が少なかったため、寂れた印象のままで止まっていて「今の箱根ってそんなに高いの?」と驚きました。そのファミリーのママさんいわく、「もう少し安いところはあるけれど、部屋に個室の温泉がついているところは宿泊費が高い」とのこと。
温泉好きなアメリカ人も多いですが、人前で裸になることに抵抗がある人がほとんど。よほど日本文化に酔心していない限り、大衆浴場を利用する人は少ないのではないでしょうか。
苦手な人が多い3つの食材
大衆浴場以外にも、アメリカ人が温泉宿を利用する際に困ることがあります。それは、旅館などでよく提供される生卵、山芋、シラスが苦手なこと。
彼らが生卵を食べない理由は、アメリカのスーパーマーケットに並んでいる卵は調理することが前提で販売されているので、新鮮でないものもあるから。なので、生まれてから一度も生卵を食べたことがないアメリカ人は珍しくありません。
山芋は、アジア系アメリカ人なら受け入れられる確率が高いですが、それ以外の人種にはなかなか受け入れられません。納豆が好きではないアメリカ人も多いので、ねばねば感がダメな人は多いと思います。
そして、私たち日本人が子どもの頃から慣れ親しんできたシラスは、味というよりビジュアルを受け付けないそうです。あんなにかわいいのに……(笑)。
和布団が苦手な人も
また、人生で一度も和布団で寝たことがないアメリカ人のなかには、ベッドがないのを苦痛に感じる人もいるようです。そのため、ソファで一夜を明かしていた人もいました。そういう人は、キャンプに行ったとしても、テント内に簡易ベッドを置いて眠るそうです。
温泉宿の衣食住に苦手な項目があるのなら、別の場所でもいいのでは!? と思ってしまいます。しかし、旅に関しては人と同じ行動をしたいアメリカ人は少なくないようです。
「東京近郊で、のんびりした場所に行くならどこ?」とアメリカ人に聞かれたら、私は静岡県沼津市と三島市をすすめています。ところが、私の意見に耳を傾けた友人は誰ひとりとしておらず、やはりみんな箱根へ行って温泉宿に泊まります。
そして、ハワイに帰ってきて「日本はどこに行っても人が多い」と不満を言うので、「だったら私の言うことを聞いてくれー!」と、心の中で叫ぶのでした。
※1ドル=約150円で換算(12月5日現在)。
(i-know)

i-know(いのう)
大学卒業後、フリーランスライターに。お笑い雑誌やファッション誌で、著名人のインタビューを中心に活躍。34歳のとき日本のキャリアに一区切りをつけ、単身ニューヨークへ。その後、ハワイのロコ(地元民)と結婚し、現在は2人の子ども(8歳、6歳)をバイリンガルに育てるべく奮闘している。
