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更年期世代がミカンを食べるべき理由 1日何個が適量か管理栄養士に聞いた
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教えてくれた人:藤田 えみこ
冬の代表的な果物、温州ミカン。日本では古くから「ミカンを食べると風邪知らず」といわれるほど、栄養がたっぷりと含まれています。とくに、更年期世代にとってうれしい栄養成分が豊富だとか。更年期世代がミカンを食べるべき理由や適量について、管理栄養士の藤田えみこさんに伺いました。
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ミカンの栄養成分はビタミンCだけではない
ミカンといえば、ビタミンCを思い浮かべる方も多いでしょう。コラーゲンの生成に必要な成分で、美肌作りにも欠かせません。また、抗酸化作用が期待され、老化の原因のひとつとされる活性酸素の増え過ぎも抑えてくれます。
しかし、ミカンの優れた栄養はビタミンCだけではありません。骨の健康やむくみ、便通、生活習慣病などが気になる更年期世代にとって、次の栄養成分を含むミカンは食べておきたい果物といえるでしょう。
まず、ミカンのオレンジ色のカロテノイド(色素成分)であるβクリプトキサンチン。カロテノイドのなかでも、抗酸化作用をもたらす成分として知られている成分です。近年の研究では、骨粗しょう症や糖尿病の予防に効果があるといわれ、注目されています。必要時に体内でビタミンAに変換されるので、体の免疫機能の維持に役立つでしょう。
続いて、葉酸(葉酸酸)です。ビタミンB群の一種で、体内に蓄積されると心疾患などの引き金になり得るホモシステインというアミノ酸の代謝を助けます。更年期世代の心血管系の健康維持に重要な役割を果たすでしょう。また、気分の安定に寄与する栄養素としても知られています。
また、体内の水分バランスを調節し、むくみの軽減や血圧のコントロールに期待できるカリウムのほか、水溶性の食物繊維の一種で排便を促すペクチンも豊富です。とくにペクチンは、更年期世代が気になる余分な脂肪や糖質の吸収を抑える働きがあり、コレステロール値の上昇や高血圧の予防も期待できます。薄皮にも含まれているので、ミカンは皮ごと食べると、より多くの食物繊維を取ることができるでしょう。
栄養メリットの面でいえば、苦手でなければ、ミカンは皮についた白い筋もそのまま食べるのがおすすめです。ヘスペリジンと呼ばれるポリフェノールの一種が含まれており、血流促進や毛細血管を強化して血流改善に役立つ成分として知られています。