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からだ・美容

飲酒で口の中がお酒臭くなる原因 素早く解消するために有効な方法とは 歯科医師に聞いた

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:横引 良評

飲酒の機会や量が増える年末年始(写真はイメージ)【写真:PIXTA】
飲酒の機会や量が増える年末年始(写真はイメージ)【写真:PIXTA】

 年末年始は普段と比べ、飲酒量が増える季節。飲んだその日は楽しかったけれど、翌日、周りの人に「お酒臭い!」と顔をしかめられ、肩身が狭い思いをした人も少なくないのでは? この“お酒臭さ”のメカニズムや対処法を知らないと、周りに迷惑をかけ、ひどい場合は“スメハラ”などと言われてしまう可能性も。ヨコデンタルクリニック院長の横引良評歯科医師に、飲酒後の口臭や予防対策などを伺いました。

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なぜお酒を飲むと口臭がきつくなる?

 飲酒後に口臭が発生する原因は、2つあります。

 1つ目は、分解物質です。アルコールが肝臓で分解されると、アセトアルデヒドという物質になります。これが体内を回って肺から出てくると、ガスとなって臭いが排出されるのです。

 2つ目は、唾液分泌の低下です。アルコールには利尿作用があり、唾液の分泌が少なくなります。すると口腔内が乾燥状態になり、細菌が増えることから臭いの原因に。

 お酒を飲んでいる最中より、飲酒した翌朝など、少し時間が経ってからのほうが口臭がきついと感じるケースも多いでしょう。これは、飲酒時にアルコールを代謝しきれず、翌日もまだ代謝を続けているからです。とくに飲酒量が多いと、それだけ口臭もきつくなり、臭う時間も長くなるので注意しましょう。

飲酒後の口臭予防に有効なのは?

 口臭対策の視点からいえば、飲酒中はアルコールだけを飲み続けるのではなく、水も飲むようにすると良いでしょう。というのも、前述したアセトアルデヒドを分解するには、水分が必要になるからです。水を飲みにくい場合は、氷を口に含むのも同様の効果が期待できます。飲酒後も、なるべく水を多く飲むようにすると、翌日の口臭を軽減できますよ。

 また、お酒と一緒に食べるものに気をつけるのもひとつの手です。ニンニクやニラ、ネギ類など「口臭の原因になる」などといわれる食べ物には、臭いのもととなるアシリンという成分が含まれています。そのため、より口臭がきつくなってしまう可能性があるのです。もちろん、これらの食品には、疲労回復や血糖値の上昇を抑える効果など良い面もありますが、ブレスケアという意味では、口臭がきつくなる原因にもなり得ることを覚えておきましょう。

 飲酒後にお酒臭さが気になる場合は、市販の口臭対策タブレットなどを活用してみるのも良いでしょう。

年末年始の飲酒時、口臭ケアで気をつけるべきこと

 年末年始は、忘年会や新年会などで、どうしても飲酒の機会が増えます。お酒を飲むと眠くなってしまい、歯磨きをせずに寝てしまうことがあるかもしれません。しかし、歯磨きをしないと口の中の細菌が増えて、さらに口臭がきつくなってしまいます。

 口臭だけでなく、歯磨きを怠ると虫歯や歯周病の原因になり、進行すれば歯を失うことにもなりかねません。また、歯周病のある方が飲酒すると、口臭がよりきつくなる傾向にあります。お酒の量はほどほどに。そして、お酒を飲んで帰ってきても、きちんと歯を磨いて寝るよう心がけてください。

(Hint-Pot編集部)

横引 良評(よこびき・りょうへい)

1988年生まれ、広島県出身。ヨコデンタルクリニック院長。歯科医師・社会福祉士・介護支援専門員。2023年、千葉県佐倉市ユーカリが丘・四街道地区に、ヨコデンタルクリニックを開院。保険治療からホワイトニング・マウスピース矯正・ワイヤー矯正・審美歯科・インプラント・義歯(入れ歯)・摂食嚥下リハビリテーションなど、幅広い治療を提供している。趣味は、サッカー・フットサル・ラーメン屋めぐり・温泉めぐりなど。