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「夫の実家に行きたくない」義実家への帰省強要はハラスメント? 年末年始に気をつけたい“さとハラ”とは

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部・佐藤 佑輔

帰省シーズン。親戚付き合いに悩む人も(写真はイメージ)【写真:PIXTA】
帰省シーズン。親戚付き合いに悩む人も(写真はイメージ)【写真:PIXTA】

 まもなく迎える年末年始、実家や義実家への帰省を考えている人も多いでしょう。日頃顔を合わせる機会の少ない親戚付き合いの場では、何かと気を遣うこともしばしば……。近年では、職場での立場の差を利用したパワハラが問題視されていますが、専門家は親戚関係の中にもハラスメントと取られかねない行為が潜んでいると指摘します。年末年始に起こりがちなハラスメントについて、日本ハラスメント協会の村嵜要代表理事に話を聞きました。(取材・文=佐藤佑輔)

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年末年始の時期、親族間の集まりで予想されるハラスメントとは

 3大ハラスメントとして知られるパワハラ、セクハラ、マタハラをはじめ、近年何かと耳にする機会の増えた「○○ハラ」。問題視されることが多いのは、職場や大学など、主に組織内でのハラスメントですが、「ハラスメント自体は親族間や友人間でも成立します」と村嵜代表理事は言います。

「職場でのハラスメントは改正労働施策総合推進法、通称パワハラ防止法という法律で禁止されていますが、ハラスメントの定義は相手の嫌がることをして不快感を覚えさせる行為全般のこと。アルコールを強要するアルハラや精神的な嫌がらせを行うモラハラなど、法で定義されていなくとも社会一般で広く浸透しているものはあります。親族や友人関係で起こりがちなものでは、ワクチン接種の有無について詮索する『ワクハラ』、相手の許可なく写真を撮影したりSNSにアップする『フォトハラ』などがあります」

 これからの年末年始の時期、予想されるハラスメントにはどんなものがあるのでしょうか。

「久しぶりに親族が集まる場で起こりがちなのが、結婚や妊娠などのプライベートに踏み込むマリハラやマタハラ。家族として気になるのは当然の感情ですが、相手の考えを尊重したり、本人が話題に上がることを嫌がっていないかどうかの見極めが肝心です。義実家からのマタハラなどは、場合によってはセクハラと取られ、最悪の場合離婚に発展するケースもある。『失礼なことは聞かないでね』など、実の子であるパートナーからの事前の根回しも重要です。

 本人は悪意なく、『善かれと思って……』と行ってしまう無自覚ハラスメントにも注意が必要。お酒の席も増えるので、アルハラにならないよう、お酒を勧める際はまず一言、本人に確認するようにしましょう。食べきれないほどのごちそうを用意して『若いんだからもっと食べないと!』と強要する行為は食ハラ。料理は相手の様子を見ながら、小出しにするようにしましょう」

 ネット上では「夫の実家に行きたくない」「どうすれば義実家帰省回避できるの」など、そもそも義実家への帰省が前提という風習に疑問の声も上がっています。帰省への考え方はそれぞれの親族関係によりけりですが、望まない帰省を強要する行為はハラスメントにあたるのでしょうか。

「『正月は何が何でも帰省するべきだ』という代替案すら認めない姿勢は、立派なハラスメント。里帰りハラスメント、『さとハラ』と言えるでしょう。ハラスメントへの対応全般に言えることですが、まずはこちらの本音を相手にしっかり伝えることが大事。悪意あるハラスメントであれ無自覚ハラスメントであれ、相手に伝えないといつまでも続くことが予想されます。相手を不快にさせないように気をつけつつ、こちらも我慢しないことが大切です」

 親しき仲にも礼儀あり。年明け早々お互いに不快な思いをすることがないよう、相手を思いやったコミュニケーションを心掛けたいところです。

(Hint-Pot編集部・佐藤 佑輔)