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実家の片づけで揉める意外な原因 親を説得するにはどうすればいい? 掃除のプロが解説

公開日:  /  更新日:

著者:和栗 恵

教えてくれた人:伊藤 まき

実家の片づけは、親の説得が難しい場合も(写真はイメージ)【写真:PIXTA】
実家の片づけは、親の説得が難しい場合も(写真はイメージ)【写真:PIXTA】

 多くの人が近い将来、必ずやらなければならないのが「実家の片づけ」です。「できれば親が元気なうちに、年末年始などの連休を使って、少しずつ始めていくことが大切です」と語るのは、実際に実家の片づけに苦労した経験のある、整理収納アドバイザーの伊藤まきさん。しかし、せっかく子どもが腹をくくって片づけを始めようとしても、肝心の親から猛反対にあってしまうこともあるそうです。そんなときの説得方法を、教えていただきました。

 ◇ ◇ ◇

「自分たちのものから少しずつ!」が鉄則

 実家にある物が多ければ多いほど、比例するように親の説得が難しくなります。その理由は、物が多いということは、親が物に対して執着する性格である可能性が高いためです。説得に失敗すると、片づけに挫折してしまうことも多いので、説得するコツを覚えておきましょう。

 実は、親と顔を合わせるたびに片づけを強要してしまい、揉めてしまうご家族は多いです。決してうるさく言わず、まずは実家に残してあった自分たちの荷物から片づけるようにするといいでしょう。

 家の一部がきれいになり、多少なりとも暮らしが快適になると「片づけるっていいことかもしれない」と親が認識してくれます。そうなったらこちらのものです。

「命令口調」はNG!

 親が片づけに前向きになってきたら、別の部屋もやらせて欲しいとお願いしましょう。ポイントは「命令口調」で指示しないこと。また、実際に片づけるときは、親に必ず確認を取ってください。要不要を勝手に判断して捨てるのはNGです。

 子どもとってはゴミのようなものでも、思い出や価値がある宝物ということもあります。とくに、購入時に高価だったものは、頑なに処分を嫌がる傾向があります。

 いくらで購入したのかを聞き、状態を確認し、壊れている場合は修理をして使えるようになるかを確認(修理をすれば、高額で売却できる可能性があります)。使えない場合は、その旨をわかりやすく説明し、手放すよう促しましょう。

処分にはフリマアプリを活用するのも一手

 物置や押し入れで眠っている贈答品や不用品は、「フリマアプリで売って、活動資金に変えたらどうかな?」と提案しましょう。一部を実際に売り「これだけのお金になったよ」と、嘘でもいいので見せてください。そうすることで、「処分するなんてもったいない」という気持ちから「処分するとお金になる!」と納得してくれることもあります。

 なお、寝室や食卓などに置かれている身の回りの品は、忘れないため、または出し入れが大変なため、あえて出しっぱなしにしている可能性があります。そうしたプライベートに直結している部分は、多少見苦しくても片づけず、見守ってあげるようにしましょう。

 また、急激に室内の様子を変えてしまうと、変化に耐えられずストレスが溜まって、不調につながることも。少しずつ時間をかけて、親が心から納得した状態を確認して、片づけを行うようにしてください。

 親の気持ちを言葉で動かすことは、専門家でも難しいこと。まずは子ども世帯がやってみせ、片づけに関心を持ってもらうことから始めてください。

(和栗 恵)

伊藤 まき(いとう・まき)

整理収納アドバイザー1級、クリンネスト2級。ホテル清掃員や国鉄系レストランの厨房、内装会社、デパートの搬入搬出などで経験を積み、出版社に入社したのち独立。掃除しながら片づける「整理収納のプロフェッショナル」として各種ウェブメディアで記事を手がけ、掃除本の編集ライターとしても活躍中。
インスタグラム:maki_organize