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実家の片づけは親が元気なうちに 掃除のプロが教える4つのメリット
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教えてくれた人:伊藤 まき
いつかはやらなければならないけれど、ついつい後回しにしてしまいがちな「実家の片づけ」。両親が亡くなってからゆっくりやればいい──そう思っていると、大変な目に遭ってしまうこともあるのだとか。「実家の片づけは、年末年始などの連休を使って、少しずつ始めていくことが大切です」と語るのは、整理収納アドバイザーの伊藤まきさん。実家の片づけに苦労した経験のある伊藤さんの実体験を基に、何をするべきか教えていただきました。まずは、親が生きているうちにやることで得られる8つのメリットを、前後編で紹介します。
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メリット1:金銭的な負担が少ない
東京23区を例に挙げると、燃えるゴミは現状、無料で回収されています。しかし、地方自治体の多くがそうであるように、ゴミ袋を有料にして処理費用に充てる“有料化”が東京23区でも検討されています。
粗大ゴミについては、都道府県によって方法はさまざまですが、関西のある地域では粗大ゴミの持ち込みが無料だったのに、1回900円に変わった例もあります。
運送コストの上昇などを考えると、今後こうした費用はどんどん値上がりする可能性があります。早めに片づけを行うことで、無駄な出費を防ぐことができるでしょう。
メリット2:リサイクル品の価値が高まる
金や宝石など、普遍的価値があるものは別ですが、基本的に「物」は時間が経つほど価値が下がります。リサイクル業界は飽和状態にあり、数百万円で購入した着物が100円の値もつかないということも当たり前に。大量の不用品を持ち込んだところで、交通費程度の売り上げにしかならないこともしばしばあります。
損をしたくないのであれば、不要品を手放す際は、時間をかけて行うことが大切です。価値が高いのは昭和時代の家財道具。頑丈で壊れにくい点から、価値が出る場合があります。また、インバウンド需要により漆器や陶磁器が人気です。
これらを適切な場所で売るためにも、見極める時間が必要になります。両親が亡くなり、慌てて片づけようとしてしまうと、こうした価値のあるものを安値で買い叩かれてしまうことも。生前から少しずつ手がけましょう。
メリット3:親の持ち物の価値・思い出が共有できる
トイレになにげなく飾ってある絵画や、食器棚の奥底にしまわれている古いお皿。私たちにはゴミにしか見えないようなものでも、実は価値があったり、大切な思い出の品だったりすることがあります。
親とともに片づけをすることで、そうした確認をはじめ、美術品や宝飾品など、本人にしかわからない貴重品について把握することができます。
メリット4:心と体の負担が軽くなる
物を「必要なもの」と「不要なもの」に分ける作業は、思っている以上に頭を使います。
また、不用品や雑誌を処分するは、まとめたり運んだりと、想像以上に体力が必要です。私たち自身もできるだけ若いうちに片づけることで、のちの心と体の負担を減らすことができます。
実家の片づけを早めに進めることは、ほかにもたくさんのメリットが。後編に続きます。
(和栗 恵)