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実家の片づけは親が元気なうちに 掃除のプロが教える4つのメリット

公開日:  /  更新日:

著者:和栗 恵

教えてくれた人:伊藤 まき

思い出がいっぱい詰まった実家。いつまでもそのままにはしておけない(写真はイメージ)【写真:PIXTA】
思い出がいっぱい詰まった実家。いつまでもそのままにはしておけない(写真はイメージ)【写真:PIXTA】

 いつかはやらなければならないけれど、ついつい後回しにしてしまいがちな「実家の片づけ」。両親が亡くなってからゆっくりやればいい──そう思っていると、大変な目に遭ってしまうこともあるのだとか。「実家の片づけは、年末年始などの連休を使って、少しずつ始めていくことが大切です」と語るのは、整理収納アドバイザーの伊藤まきさん。実家の片づけに苦労した経験のある伊藤さんの実体験を基に、何をするべきか教えていただきました。まずは、親が生きているうちにやることで得られる8つのメリットを、前後編で紹介します。

 ◇ ◇ ◇

メリット1:金銭的な負担が少ない

 東京23区を例に挙げると、燃えるゴミは現状、無料で回収されています。しかし、地方自治体の多くがそうであるように、ゴミ袋を有料にして処理費用に充てる“有料化”が東京23区でも検討されています。

 粗大ゴミについては、都道府県によって方法はさまざまですが、関西のある地域では粗大ゴミの持ち込みが無料だったのに、1回900円に変わった例もあります。

 運送コストの上昇などを考えると、今後こうした費用はどんどん値上がりする可能性があります。早めに片づけを行うことで、無駄な出費を防ぐことができるでしょう。

メリット2:リサイクル品の価値が高まる

 金や宝石など、普遍的価値があるものは別ですが、基本的に「物」は時間が経つほど価値が下がります。リサイクル業界は飽和状態にあり、数百万円で購入した着物が100円の値もつかないということも当たり前に。大量の不用品を持ち込んだところで、交通費程度の売り上げにしかならないこともしばしばあります。

 損をしたくないのであれば、不要品を手放す際は、時間をかけて行うことが大切です。価値が高いのは昭和時代の家財道具。頑丈で壊れにくい点から、価値が出る場合があります。また、インバウンド需要により漆器や陶磁器が人気です。

 これらを適切な場所で売るためにも、見極める時間が必要になります。両親が亡くなり、慌てて片づけようとしてしまうと、こうした価値のあるものを安値で買い叩かれてしまうことも。生前から少しずつ手がけましょう。

メリット3:親の持ち物の価値・思い出が共有できる

 トイレになにげなく飾ってある絵画や、食器棚の奥底にしまわれている古いお皿。私たちにはゴミにしか見えないようなものでも、実は価値があったり、大切な思い出の品だったりすることがあります。

 親とともに片づけをすることで、そうした確認をはじめ、美術品や宝飾品など、本人にしかわからない貴重品について把握することができます。

メリット4:心と体の負担が軽くなる

 物を「必要なもの」と「不要なもの」に分ける作業は、思っている以上に頭を使います。

 また、不用品や雑誌を処分するは、まとめたり運んだりと、想像以上に体力が必要です。私たち自身もできるだけ若いうちに片づけることで、のちの心と体の負担を減らすことができます。

 実家の片づけを早めに進めることは、ほかにもたくさんのメリットが。後編に続きます。

(和栗 恵)

伊藤 まき(いとう・まき)

整理収納アドバイザー1級、クリンネスト2級。ホテル清掃員や国鉄系レストランの厨房、内装会社、デパートの搬入搬出などで経験を積み、出版社に入社したのち独立。掃除しながら片づける「整理収納のプロフェッショナル」として各種ウェブメディアで記事を手がけ、掃除本の編集ライターとしても活躍中。
インスタグラム:maki_organize