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「気持ちをないがしろにされたような気がして」 スマホ依存の夫 30代専業主婦が離婚を意識した瞬間とは
公開日: / 更新日:
教えてくれた人:夫婦カウンセラー・原嶋 めぐみ

夫婦で過ごす時間が多くなる年末年始。普段はそれほど気にならないことが、目についてしまうこともあります。年末年始に起きた夫婦間トラブル体験談を、夫婦カウンセラー・原嶋めぐみさんのアドバイスとともにお届け。夫がスマートフォンばかりいじっていることに悩んでいる30代の女性は、「離婚するほどでのことではない」と思ってきたといいます。ところが、年の瀬の旅行をきっかけに、結婚生活を見直したい気持ちになってしまったそうです。
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年末に夫婦で温泉旅行へ
相談者は、夫と二人暮らしの田中一花さん(仮名)。ここ数年、頭に「離婚」の文字が浮かんでいるといいます。
夫は朝8時に出勤し、残業で深夜に帰ってくる多忙な生活。そのため、平日にほとんど一緒にいる時間はありません。さらに、夫の趣味は海外ドラマを観ることで、休みの日になると朝からソファに寝転がり、スマホでドラマを観ているそう。一緒に出かけようと声をかけても、ソファからおしりを上げることすらしません。
そこで4年前、一花さんは年末の旅行を提案しました。インドア派の夫も、「温泉なら行きたい」と了承。2泊3日で箱根に行くことになりました。部屋に露天風呂がついた豪華な宿を予約し、料理も奮発。一花さんは専業主婦ですが、独身時代の貯金から旅行代金を出しました。
「久しぶりの旅行だったので、私はとても楽しみにしていました。でも、いざ出かけてみたら、ロマンスカーの中でも、観光中も、旅館についてからも、夫はず~っとスマホを見てばかり。話しかけても『あぁ』とか『うん』とか、上の空で……」
一花さんは、休日にスマホばかり見ている夫に対し「疲れているんだから仕方ない」と、ずっと我慢を重ねてきました。しかし、せっかくの旅行にもかかわらず、家にいるのと変わらない夫の態度に、愛情が大きく損なわれたといいます。
「少しでも心を休めてほしいと思って誘ったのに、私の気持ちをないがしろにされたような気がして、とてもつらかったです。私は結婚して仕事を辞めてしまったので我慢して暮らしていますが、離婚したほうが幸せになれるのでは? と自問自答しています……」
まずは根気良く話しかけることから
夫婦の時間を持とうとしない夫に対して、妻にできることはあるのでしょうか。夫婦カウンセラーの原嶋さんにお聞きしました。
「無理にやめさせようとすると、反発して余計に家庭内の空気が悪くなることもあります。離婚を悩む気持ちがあるのであれば、まずは根気良く話しかけ続け、夫婦間のコミュニケーションを増やしましょう」
そのうえで、なぜやめてほしいのかを丁寧に伝えるべきだと原嶋さん。スマホばかりいじっていて悲しい気持ちであることや、夫の健康を心配していることなど、夫婦関係をもっと大切にしたい思いを伝えましょう。そして、スマホを使っていい時間を決めるなど、ルールを設けることも大切です。
「それでもやめられない場合は、夫の普段の様子を録画しておき、それを本人に見てもらうのも一手です。そこまでスマホを手放せないのは、スマホ依存の可能性もあるので受診を促しましょう。それでも改善する意思が一切みられないのであれば、離婚を視野に入れるのもやむなしだと思います」
(和栗 恵)