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“年賀状じまい”失礼にならない伝え方は? マナー講師が指南する「角が立たない」コツ

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著者:Hint-Pot編集部/クロスメディアチーム

メールやSNSにはない魅力もある紙の年賀状(写真はイメージ)【写真:写真AC】
メールやSNSにはない魅力もある紙の年賀状(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 今年も残すところわずか。年の瀬のこの時期、年賀状の作成で大忙しという方も多いのではないでしょうか。SNSの普及を受け、“年賀状じまい”の流れも加速している昨今ですが、あらためて紙の年賀状には他にはない魅力があるもの。年賀状の由来やマナー、失礼にならない年賀状じまいの伝え方について、マナー講師の林慶子先生に話を聞きました。

 ◇ ◇ ◇

SNSの普及を受け、昨今では“年賀状じまい”の流れも加速

 日本人にはなじみの深い年賀状。もともと、お世話になった方への年始のあいさつ周りの代わりに、簡略化したはがきを送るようになったのがその起源と言われています。ひと昔前までは、学生時代であれば担任の先生や友人に、社会人であれば上司や取引先など、お世話になった人へと送るのが一般的でした。SNSが普及した近年では、入社後に誰に年賀状を送るべきか悩むもの。新入社員として初めて迎える正月に、社会人のマナーとして失礼にならないようするにはどうすればいいのでしょうか。

「上司への年賀状は、会社ごとに基準が決まっている場合がほとんど。もし、明確な基準がなければ、近い先輩や上司に『出した方がいいんでしょうか?』と相談してみるのがいいでしょう。年賀状の目的は、お世話になった人に1年の感謝の思いを伝えること。取引先など、特にお世話になったところには出した方がよいでしょう」

 今ではパソコンを使い、誰でも簡単に年賀状が作れる時代ですが、書式やデザインなど、注意すべきこともあるといいます。

「賀詞という文頭のお祝いの言葉は、ビジネスシーンや目上の人に宛てる場合は、『賀正』は避け、『謹賀新年』や『明けましておめでとうございます』など、4文字以上のものにしましょう。また、年賀状に限らず祝電などのお祝い事では『、』や『。』などの句読点を打たないのが一般的です。筆の時代の名残ですが、区切りや終わりをつけないという意味もあるので覚えておくといいでしょう。手書きの場合は、ボールペンなどはカジュアルに見えてしまうのでNG。ペンを使う場合でも、筆ペンなどを用いるのがベターです。

 デザイン面だと、よくある家族の写真はビジネスシーンではNG。プライベートであっても、子どもが欲しくても恵まれない方、不妊治療中の方などもいるので、子どもや赤ちゃんの写真が入った年賀状は送る相手を選んだ方が無難です。何種類か用意して、送る相手との関係性ごとに変えるのがスマートです」

 年明けに、年賀状を出していない相手から予期せずはがきが届き、焦った経験のある方も多いでしょう。年賀状を出し忘れてしまったときはどうすればいいのでしょうか。

「できるだけ早く、お返しの年賀状を送るのがベスト。もし、旅行中など確認が遅れてしまい、もし相手に届くのが1月7日の松の内を過ぎるようであれば、寒中見舞いとして出すようにしましょう。気づいたタイミングでメールやSNSでお礼を言うだけでもいいので、とにかく何もリアクションをしないことだけは避けましょう」

 喪中の方には年賀状を出さないというのも一般的なマナーですが、喪中はがきの出し方や受け取ったときの正しい対応も知っておきたいものです。

「喪中はがきは、その年に近しい親族が亡くなった場合、11月中旬から12月上旬頃までに例年年賀状を送っている相手に出します。何親等までを喪中に含めるかは家庭によりけりで、祖父母が亡くなっても喪に服さない家もあります。12月に入ってから身内に不幸があり、喪中はがきが間に合わなかった場合は、松の内を過ぎた1月8日以降に寒中見舞いとして、年賀のお礼と喪中であった旨を伝えるのがマナーです。同じく、喪中はがきをもらった側も、1月8日以降に寒中見舞いであいさつするのが良いでしょう」

 年末の忙しさから解放されたい思いで、内心「そろそろ年賀状じまいをしたい」と思っている人もいるでしょう。失礼にあたらない年賀状じまいには、どのような伝え方がいいのでしょうか。

「いきなり『今年から年賀状はやめます』というと、付き合いを終わらせたいのかな? と誤解を招いてしまうこともあります。すべての人に対して年賀状じまいをしていること、これからも変わらず付き合いは続けていきたいことを伝えることが大切です。定型文などの決まりはありませんが、『今後は電話やメール、SNSで連絡させていただけますと幸いです』など、代替の連絡手段を記しておくと角が立たないでしょう」

 もちろん、年賀状にしかない魅力もたくさんあります。「1年の終わりに、お会いしていない方のことも思い出し、感謝の思いを感じることができる、とてもすてきな風習。また、年賀状を出す人が少なくなった現代だからこそ、相手に感謝の思いを印象づけることができます」と林先生。今年もお世話になったあの人を思い出し、筆を取ってみてはいかがでしょうか。

(Hint-Pot編集部/クロスメディアチーム)