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「叱らない育児」に失敗して暴力的になった甥 娘を守るにはどうすればいい? 夫婦カウンセラーがアドバイス

公開日:  /  更新日:

著者:和栗 恵

教えてくれた人:夫婦カウンセラー・原嶋 めぐみ

甥に危害を加えられ、不安定になる娘。守るにはどうすれば?(写真はイメージ)【写真:PIXTA】
甥に危害を加えられ、不安定になる娘。守るにはどうすれば?(写真はイメージ)【写真:PIXTA】

 年末年始に親族が集まり、いとこ同士が関わるとトラブルになることもあります。「叱らない子育て」に失敗して、わがまま三昧に育ってしまった甥に悩む30代の女性に話を聞きました。帰省シーズンが近づき、娘が不安定になっているものの、夫はことの大きさをを理解していないそう。夫婦カウンセラーの原嶋めぐみさんのアドバイスとともにお届けします。

 ◇ ◇ ◇

義妹の「叱らない育児」で娘に被害が

 ため息交じりに話を切り出したのは、茨城県在住の皆川聖良さん(仮名・30代)。農家を営む夫の実家で同居中ですが、年に数回、里帰りしてくる義理の妹一家に頭を抱えているといいます。

「これまでは年に数回会うだけだから……と我慢してきましたが、物心がついてきた娘が嫌がるので、義妹一家が来るときは、娘と私の実家に避難したいと思っています。しかし、義母と夫に猛反対されています」

 義妹一家は、甥に対していわゆる「叱らない育児」をしています。家庭それぞれの考え方があるので、聖良さんはこれまで、ひと言も苦情を言うことなく見守ってきました。

 しかし、甥の行動はエスカレート。2024年のお盆に来たときは、聖良さんの娘の髪を切ろうとしたり、スカートを引っ張って転ばせたり、おやつを横取りして泣かせたりとやりたい放題でした。

「娘がギャン泣きしているのに、義妹もその夫も知らんぷり。義妹に至っては『もうちょっとで娘ちゃんをショートヘアにしてあげられたのにね~』などと言って笑っていました。これは私の手には負えないと思い、仕事から帰ってきた夫に相談したものの、『それくらいで大げさな……』と取り合ってくれません」

 年末年始が近づくにつれ、不安定になっているという娘さん。聖良さんは娘のためにも、夫との離婚も視野に入れたほうがいいのか、今後の対応について悩んでいるそうです。

守るべきは娘さんの心 断固とした対応がカギに

「親族だからといって、仲良くしなければいけないわけではありません。義母や夫が反対しようが問題ないので、娘さんに危害を加えられる前にさっさと実家へ帰りましょう!」

 そう断言するのは、夫婦カウンセラーの原嶋さん。

「人が嫌がることをする子ども。それを叱らない親。こんな親子の相手をして、我が子を悲しませる必要はどこにもありません。どんなに反対されようとも『私は甥から娘を守るために、実家に帰ります』と伝え、実行に移しましょう」

 断固とした対応を見せても、まだ夫が「それくらいで」と言う場合、娘さんがされたことを夫に置き換えて話してみるよう、原嶋さんは提案します。

「自分自身に置き換えることで気づく人もいるので、『私が突然、あなたの髪を切るためにハサミを持って追いかけたり、周囲に人がいるなかでズボンをずり下げたりしてもいいのね。問題ないんでしょ?』などとたとえ話をしてみてもいいでしょう」

 それでも夫の対応が変わらないのであれば、離婚に向けて動き出すべきだといいます。

「こちらができる対応としては『近づかない』こと。聖良さんが守るべきは、娘さんの心です。年に数回“だけ”ではなく、数回“も”我慢させているということに気づきましょう。夫に対しては、まずは話し合いを。あなたの本気を夫に見せることから始めてみてください」

(和栗 恵)