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年末年始に覚えておきたい“防犯四原則”とは 防犯アドバイザーの京師美佳さんに聞いた

公開日:  /  更新日:

著者:日下 千帆

年末年始はとくに気をつけたい空き巣(写真はイメージ)【写真:PIXTA】
年末年始はとくに気をつけたい空き巣(写真はイメージ)【写真:PIXTA】

 帰省したり、旅行をしたりと、長期で家を空ける人が多い年末年始。留守を狙った犯罪に巻き込まれないよう、今からできる空き巣対策はあるのでしょうか? また、「闇バイト」による強盗事件も相次いでいます。安全に年を越すための防犯について、防犯アドバイザーの京師美佳さんに話を伺いました。

 ◇ ◇ ◇

築30年以上の戸建ては要注意

 警察庁によると、侵入窃盗の認知件数は、2022年まで減少が続いていたものの、翌2023年には前年比20.9%増加しています。発生場所別で見てみると、一戸建て住宅が30.5%でした。手口別では空き巣が26.8%と、4分の1以上を占めています。

 窃盗犯に狙われやすい住宅の特徴はあるのでしょうか。京師さんは、「郊外にある築30年以上の戸建ては要注意です」と話します。その理由は、築年数が経った戸建て住宅では一般的に、玄関や窓に3ミリガラスが使われていることが多いため。建具が弱いと、窃盗犯が侵入してくるリスクが高まります。

 また、高齢者だけで住んでいる家も用心してください。銀行が近くにないと、自宅に数万円から数十万円の現金が置かれていることがよくあります。「タンス預金を1700万円も盗られたケースがあるのでご注意ください」と、京師さんは呼びかけます。

音、光、時間、人の目 防犯4つのポイント

防犯アドバイザーの京師美佳さん【写真:日下千帆】
防犯アドバイザーの京師美佳さん【写真:日下千帆】

 警察庁のデータによると、侵入経路で使用されることが最も多い場所は窓。そのため、窓に対策をするのが有効です。また、被害の分かれ目は5分といわれています。侵入までに5分かかると7割が、10分かかると9割が犯行を諦めるそうです。

 こうしたことを踏まえ、自宅の防犯を強化するには、4つのポイントがあるといいます。

1. 音
 不審者が侵入したときに100デシベル以上の音が鳴る防犯ブザーを、ドアや窓に仕掛けておくと良いでしょう。

2. 光
 防犯アラームと同様に、人感センサーライトの設置もおすすめします。明るさは、300ルーメン以上が目安です。

3. 時間
 窓ガラスに補助錠や保護フィルムを張り、侵入までの時間を稼ぎましょう。在宅時も補助錠をかけておくと、たとえ侵入されても、逃げる時間を稼ぐことができます。

4. 人の目
 侵入者は連帯感のある住宅街を嫌います。日頃からご近所づきあいを大切にし、知らない人にも「こんにちは」と声をかける習慣をつけると良いでしょう。

防犯カメラやステッカーを活用

 京師さんは、ほかに防犯カメラを設置することもおすすめします。

「就寝中の“目”になってくれるのが、防犯カメラです。最近はカメラから音を出せるタイプもあり、敷地内に入る不審者を確認したら『通報したぞ』と警告することができます」

 しかし、設備を導入したいけれど、費用が気になるところ。そういった場合は、300~400円ほどで購入できるステッカーを活用しましょう。

「今はさまざまなデザインのステッカーが販売されています。『セキュリティ稼働中』などのステッカーを貼ってください」

 外国人犯罪が急増しているため、多言語で書かれているものが望ましいそうです。防犯ステッカーを貼ることで防犯意識の高さが伝わり、犯罪者はほかにも窓アラームやカメラがあるのか? と心配になります。少しでも狙われにくい家にするためにも、活用するといいでしょう。

(日下 千帆)

日下 千帆(くさか・ちほ)

1968年、東京都生まれ。成蹊大学法学部政治学科を卒業後、テレビ朝日入社。編成局アナウンス部に配属され、報道、情報、スポーツ、バラエティとすべてのジャンルの番組を担当。1997年の退社後は、フリーアナウンサーとして、番組のキャスター、イベント司会、ナレーターのほか、企業研修講師として活躍中。