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からだ・美容

妊活中の飲酒はOK? 専門看護師が指摘する「今からやめてほしいこと」とは

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:小松原 千暁

お酒の席が増えるシーズン。妊活中に気をつけるべきこととは?(写真はイメージ)【写真:写真AC】
お酒の席が増えるシーズン。妊活中に気をつけるべきこととは?(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 飲酒の席が増える年末年始。妊活中にお酒を飲んでも、問題ないのでしょうか。また、コーヒーなどのカフェインを含む飲み物は、避けたほうが良いのか迷うことも。妊活の正しい知識を広める活動をする不妊症看護認定看護師の小松原千暁さんに、妊活中の飲酒やカフェイン飲料の摂取、そのほか気をつけたいことについて伺いました。

 ◇ ◇ ◇

お屠蘇などは「たしなむ」程度であれば男女とも問題ない

 妊活中の飲酒について、毎日飲んだり、一度に大量に飲酒したりすることはおすすめしませんが、ときどきの頻度で適量のお酒を楽しむことは許容できると考えます。

 女性の場合、過剰摂取が妊娠率の低下につながるというデータがありますが、控えめの量であれば禁酒する必要はありません。ただし、妊娠がわかったら禁酒することが望ましいでしょう。男性の場合、毎日アルコールを摂取することは、精液量や精子の正常形態率を低下させるデータがあります。「休肝日」を作りながら、適量を楽しみましょう。

 年末年始は、お酒の席が増えるシーズンです。帰省先で、新年を祝うお屠蘇をすすめられることもあるかもしれません。妊活中はそこまで神経質にならず、男女ともたしなむ程度であれば問題ありません。

ソフトドリンクはカフェインの大量摂取に注意

 アルコール以外で、妊活中に気をつけたいのはカフェインの大量摂取です。流産や早産の原因になるので、妊活を始めたら、カフェインを含む飲み物はやめたほうが良いとする見解も。一方で、コーヒーを1日1~2杯くらいであれば問題ないとするデータもあります。

 カフェインはコーヒーだけでなく、緑茶や紅茶、ウーロン茶などにも含まれています。お酒の席でアルコールの代わりに、カフェインを含むソフトドリンクをたくさん飲んでしまうことは良くありません。できるだけカフェインを含まないものを選び、大量摂取しないようにしましょう。

男女ともすぐにやめてほしいのは喫煙

 妊活中のお酒やカフェイン飲料は、適時適量を心がけていれば、ゼロにしなくても問題ありません。一方、男女ともに今すぐ、きっぱりとやめてほしいのは喫煙です。タバコにはニコチン、タール、一酸化炭素など5300種以上もの有害物質が含まれており、人体にさまざまな悪影響を及ぼします。妊活中の卵子や精子に影響する可能性は否定できません。

 また、妊娠中の喫煙は、流早産や死産、前置胎盤、妊娠高血圧症をはじめ、低出生体重児や胎児発育不全、胎児奇形のリスクが考えられます。出生児だと、乳幼児突然死症候群(SIDS)、喘息、2型糖尿病の発症につながることも示唆されているのです。

「男性は関係ない」と思うかもしれませんが、喫煙によって精子の数の減少や運動率の低下が起こり、男性不妊の原因になる場合があります。また、副流煙によって受動喫煙し、母体に悪影響を及ぼすことも。妊活を機に、ぜひ禁煙していただきたいと思います。

(Hint-Pot編集部)

小松原 千暁(こまつばら・ちあき)

不妊症看護認定看護師、生殖医療コーディネーター、妊活支援ナース育成コーチ、日本生殖看護学会理事。不妊治療の専門クリニックに約20年間勤務した経験より、日本の性教育に妊娠する力の妊孕性(にんようせい)に関する情報が少ないことを実感。現在は生殖医療の看護師を指導する一方で、不妊治療を受ける患者さんや若い世代に向けて、自ら選択できるように妊活の正しい知識を広める活動を行う。妊活についての情報サイト「妊活の歩み方」でお役立ち情報を発信中。