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病院内で怒り狂う女性患者、きっかけは“子連れの姿” 看護師が話を聞くと…涙に込められた意味
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病院で怒り狂う女性患者の姿。その理由を聞くと、女性の目からは涙がこぼれた――。今、ネット上で大きな話題になっているのが、一人の看護師による投稿です。子どもをなかなか授かれず、不妊治療を行っている女性は多いですが、一方で、子どもを持ちたくてもそのスタートラインにすら立てない女性がいます。問題提起の意味も込めて投稿したよっしー(@siroyoshi88)さんに詳しい話を聞きました。
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夏休みに入って増えた子連れ受診 変化した“待合室の光景”
「賛否両論あるのは分かってるシリーズなんだけどさ。(長いよ)
最近、某科(敢えて濁すよ)の待合室に子連れで受診してる患者が居てね。(夏休みだしね)
それに対して怒り狂ってる患者さんが居て。私、対応したのよ。でもね…私はその患者さんに対して嫌な気持ちにならなかったの」
8月25日、現役看護師のよっしーさんが投稿したのは、勤務先の病院で起きたある出来事についてでした。
某科というのは、婦人科や乳腺科等、女性に特化した科のあるフロアのことで、採卵や体外受精などの不妊治療は行っていません。
女性の異変を見て、よっしーさんは対応します。
「ずっと話しを聞き続けた。否定も肯定もしない。言いたい事は本当によく分かる。辛いよね。って。これ言うと子連れの何が悪いの!?ってなっちゃうかもしれない。私自身も子ども居るからね。子連れ受診にネガティブな事言いたい訳じゃないよ。その患者さんは気持ち吐き出したかったんだと思う。そしてその子連れの人には攻撃してないからね。看護師の私を選んで話してくれた。そして…途中で涙を流していた。我慢してたんだろうね。今回の事だけでなく思いがたくさんあったんだと思う」
子どもを持ちたい希望があるのに、病によってその可能性が閉ざされた。悔しさ、葛藤、家族への申し訳なさ。自分自身が正気を保てなくなるくらいに追い詰められた背景には、受け入れがたい現実の数々がありました。
この病院の婦人科では対男性に対しては中待合室からは入室できないなど徹底していますが、子どもの入室は禁止していません。さまざまな理由で子どもを預けることができない母親に配慮しています。
待合室の子連れ利用について、普段は「ほぼいない」ものの、この時期は違いました。
「子連れ受診は夏休み期間に入ってからはかなり増えました。面会制限が緩和されたので余計なのかなという印象です。患者の付き添いで孫を連れた人がいたり、今は小学生と言えど外で遊べなかったり(暑くて)1人にしておくのも難しいと思うので、本当に子連れ受診は増えました」
遊び回る子どもを注意する母親。そのささいなやり取りでも、第三者から見ると、幸せいっぱいに感じてしまうこともあります。結果的にこの女性に追い打ちをかける状況になってしまいました。