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「そんな安物でちゃんと使えるの?」 ストレートすぎる外国人夫に辟易 離婚に悩む女性へ夫婦カウンセラーがアドバイス
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教えてくれた人:夫婦カウンセラー・原嶋 めぐみ
憧れる人が少なくない国際結婚ですが、離婚率は5割前後ともいわれています。生まれ育った環境や、文化が大きく違うふたりが一緒に暮らしていくには、一筋縄ではいかないことも多いでしょう。外国人の夫と結婚したものの、価値観の違いにときどきうんざりしてしまうという日本人女性に話を聞きました。夫婦カウンセラー・原嶋めぐみさんのアドバイスとは。
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ストレートすぎる夫に辟易
ヨーロッパ出身の夫と国際結婚をした、東京都在住のカンナさん(仮名・40代)。夫は出会った当時、30代半ばで、とても整った顔立ちをしていたそうです。
そんなところに惹かれてつきあい始めると、家事は完璧なうえに、愛情をストレートに伝えてくれるなど、これまで交際してきた男性たちとはまったく違うタイプ。カンナさんは、ますます夢中になってしまったそうです。
しかし、最初に違和感を覚えたのは、結婚のあいさつをするために初めてヨーロッパを訪れたときのことでした。夫の実家はまるで雑誌に出てくるような素敵なおうちで、義母が作る家庭料理もとてもおいしく、家族は優しく接してくれました。まさに理想の家族像でしたが、カンナさんには気になることがありました。
「夫に少々神経質な面があることはわかっていましたが、まさかどうにもならない飛行機内で愚痴を言い続けるとは思ってもみなかったんです」
帰りの飛行機で、カンナさんたちのすぐ後ろの席には、小さな子どもを連れた家族がいたそうです。夫はそれに気づいた途端、「なんでこんな席に当たったんだ」「きっと椅子を蹴ったりしてくるに違いない」など、カンナさんにネチネチと言い出したそうです。
その便はあいにく満席状態で、席の移動も叶いませんでした。カンナさんは、実際に迷惑をかけられたわけでもないのに愚痴を言う夫に対し、信じられない気持ちでいっぱいだったといいます。
それから時は流れ、結婚から13年ほどになりました。文化の違いなのでしょうが、夫は思ったことをはっきり言わないと気が済まないようで、カンナさんから何か伝えたい場合もはっきり言わないといけないことがわかりました。しかし、夫とカンナさんは日本で暮らしているため、夫のストレートすぎる物言いに辟易してしまうことが多々あるそうです。
「たとえば、レストランでおいしくなかったら店員さんを呼びつけて『まずい』と言います。『わざわざ言う必要ないでしょう?』と言っても、『はっきり言わないと店も勘違いしたままで良くないだろう』って言うんです。とくに困るのは、友人の持ち物を見て気になったら、どこで買ったのか、値段まで根掘り葉掘り聞いてしまうこと。しかも、予想より安いと『そんな安物でちゃんと使えるの?』と本人に言うんです。言葉の壁もありますが、やっぱり失礼だなと感じてしまうことがよくあります」
年末年始の休暇などで夫の実家へ帰省するときも、ストレートな家族に囲まれて、少し疲れてしまうことが。
「ここまで価値観が違うと、離婚したほうがいいかな……なんて何度も思ってきたのですが、ストレートすぎる部分以外は今でも好きなんです。でも、こういうことが一生続くのかと思うと、我慢しきれるかどうか不安です」
夫の国の文化を改めて学んでみては
「我慢できるようであれば問題ないと思います。我慢しきれなくなったときに離婚をすればいいだけですから」
そう語るのは、夫婦カウンセラーの原嶋さん。
「日本人同士であっても、価値観の違いに悩む夫婦は少なくありません。まして国際結婚となれば、もっと難しいでしょう。しかし、幸いにも夫はストレートに伝えてほしいタイプ。嫌なことは嫌だと、せっかく家族になったのですから、相手が理解してくれるまで伝えることが大切です」
もし可能なら、夫の実家に長期滞在し、夫が生まれ育った環境や文化を改めて知ることも大切だと原嶋さん。それが難しい場合は、オンライン通話などを使って夫の家族と会話し、日常の雑談から夫の子ども時代の話まで、いろいろと聞き出してみてもいいかもしれません。そうすることで、ストレートにしか伝えられない夫への理解が深まることでしょう。
「あまりにも我慢が続いてつらいときは、自分の心に負荷をかけないよう、カウンセラーなどプロに頼ることも考えてみてください」
(和栗 恵)