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仕事・人生

「綾ちゃんのおみそ汁が飲みたい」 がんと闘い抜いた義妹の死を乗り越えて 加藤綾菜さんが見つけた新たな目標

公開日:  /  更新日:

著者:和栗 恵

加藤綾菜さんにとって、人生観が変わるほど大きな出来事とは【写真提供:加藤綾菜】
加藤綾菜さんにとって、人生観が変わるほど大きな出来事とは【写真提供:加藤綾菜】

 夫婦共演が話題になるなど、今年も大活躍だった「ザ・ドリフターズ」加藤茶さんの妻・綾菜さん。結婚14年目を迎え、公私ともに充実した日々を過ごしていますが、2024年は綾菜さんにとって、大きな悲しみとともに新たな目標を見つけた年だったといいます。

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最後の3か月は病院に通い詰める日々

 2024年は、私にとって人生観を変える大きな出来事がありました。インスタグラムでは「家族」と書いて公表していなかったのですが、10月の終わりに大切な家族のひとりである義妹を亡くしたんです。つらいときに寄り添ってくれた、私にとって本当に大切な、親友のような存在でした。

 義妹は3年8か月もの間、がんと闘っていたのですが、亡くなる3か月くらい前かな。病院へ診察に行って待合室で倒れてしまい、そのまま入院して、それっきり退院できなくて。

 毎日、面会には行っていたのですが、夜になると不安が襲うようで、あるとき泣きながら「綾ちゃんのおみそ汁が飲みたい」って連絡が来たんです。深夜に慌てておみそ汁を作り、病院まで持っていきました。

 本来は、深夜にお見舞いはできないんですけど、義妹の病状もあって看護師さんが入れてくださって。ストローを使って、少しずつおみそ汁を飲む彼女を見ながら、泣きそうになるのをこらえていました。

 がんが進行すると本当に痛いみたいで、強い鎮痛剤を使っていて、15分おきくらいに入れてあげるんです。看護師さんたちも気を遣って見に来てくれるんですが、患者数が多いため、義妹のための時間が割けないときもあります。

 そのため、常に家族の誰かがついていてあげないと苦しい思いをさせることになるので、仕事が終わったらすぐに病院へ。ちーたん(加藤茶さん)のごはん作りがあるので、家族で交代しながら彼女に付き添いました。朝からヘルプの電話がかかってきて、慌てて病院に行くことも。しばらくはそんな生活を続けていました。

 最後の1か月は話すことも難しくなっていました。冷たいものを唇に当ててあげると、少し楽になるみたいで、「アイスボックス」という氷菓を探して目黒中を走り回ったこともあります。