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「食費を削るのは限界がある」 続く物価高に節約アドバイザーがすすめる2025年の節約キーワード「ストパ」とは
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普段は節約していても「お正月くらいは」と奮発し、華やかな食卓を楽しんだ家庭もあるでしょう。そうした日がある反面、食品を筆頭に物価高が家計を直撃しています。そのため、日々の節約の工夫は欠かせません。ファイナンシャルプランナーや消費生活アドバイザーなどの資格を持ち、多くのメディアで活躍する節約アドバイザーの丸山晴美さんに、現在の物価高の特徴や2025年の節約術についてお話を聞きました。
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「1月以降も物価の上昇は続く傾向」
さまざまな価格高騰が家計に影響を与えている現状について、家計のプロで主婦でもある丸山さんは、どう見ているのでしょうか。
「30年ほど続いたデフレに慣れたなかでの物価高。生活費として使える可処分所得と物価の上昇が比例していないため、健全なインフレとは言えない状況だと思います」
丸山さんは「値上がりしていないのは通信費くらい」と指摘。あらゆるものやサービスの価格が上がっているなか、とくに食費は日々のことで影響が大きく、目につく存在でもあります。今後の見通しについても、「1月以降も物価の上昇は続く傾向があります。小麦や油のほか、チョコレートといった嗜好品の価格が上がっています。また、高値になった米の価格も戻る気配が見えません」と、厳しい意見です。
そうしたなか丸山さんは、家計を見直す際、食費を必要以上に切り詰めるのは要注意だと話します。
「日々の食事は体調を整えて、しっかり仕事や勉強をするのに大事なものです。体調を崩してしまうと、医療費など支出が増えることも。そのため『健康も節約のうち』というアドバイスをしています。食費を大きく削るのは限界があるので、固定費など別の支出を見直しましょう。また、食に関する節約は、食材を無駄なく使い切ることに目を向けてもらいたいですね」
食品を無駄なく使う 「ストックパフォーマンスを上げる」ポイント
昨今は、コンビニエンスストアのお弁当やスーパーマーケットの総菜、カップ麺なども値上がりしています。丸山さんによると、調理済み食品などの加工品は高値になりやすいそう。そこで、忙しい共働き家庭や単身者も、冷凍貯金といった冷凍術なども活用して自炊し、食品ロスや買い物頻度を下げるのが節約のコツだといいます。
「購入した食材のストックパフォーマンスを上げる。『ストパ』が2025年の節約術のキーワードです」と丸山さん。ただ、うっかりして冷蔵庫で消費期限が過ぎてしまう、冷凍庫で食品が化石化してしまう――といったことが少なくありません。こうして起きる食品ロスを回避するには、どうすれば良いのでしょうか。
「目につきやすい冷蔵庫や冷凍庫内の手前側に、ケースや保存袋を用意。使い切れずに残った食材は、そこに入れるようにしましょう。なんとなく使いかけの食材を冷蔵庫に入れたり、半端な食材を団子状にして冷凍庫の隙間に入れたりすると、どんどん奥に入り込んでしまいます。冷蔵庫や冷凍庫の総ざらいは大変で、なかなかやれません。目に入りやすいスペースに残り食材を置く習慣をつけるだけでも、『ストパ』が上がりますよ」
冷蔵庫や冷凍庫用の収納ケースや保存袋を置き、使いかけの食材をまとめる保存場所を作るのは簡単にできそう。料理の前にまずそこをチェックするようにすれば、食材を無駄にするのを避けられ、献立を考えるヒントにもなって一石二鳥です。