どうぶつ
長寿化するいぬねこ 「飼育困難」の相談が年間200件以上 老犬老猫ホームの実態とは
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人間とねこ、近年それぞれが長寿化しており、入院や老人ホームの入居などで、やむを得ず最後まで面倒を看られなくなってしまうというケースが増えているようです。そのようなときに、愛する「家族」を預かってくれる老犬老猫ホーム。「東日本大震災」をきっかけにオープンしたという「東京ペットホーム」でその実態を聞きました。ねことの暮らしのアイデアが詰まった「猫ねこ部」がお届けします。
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理由は飼い主の「老人ホーム入居」がダントツ
老犬老猫ホームは、飼えなくなったペットのための新しいおうち。人間の老人ホームと同じように、有料で飼い主さんに代わって終生お世話をしてくれる施設です。大田区にある東京ペットホームのオーナー渡部帝さんによると、毎年200件以上の「飼育困難」の相談がくるといいます。
飼えなくなる理由はさまざま。その中でもダントツで多いのが、高齢者の老人ホームへの入居なのだそうです。その他にも、高齢になってお世話ができなくなったり、若い世代の飼い主さんの場合は転勤や転居、突然の病なども……。
ペットの寿命が伸びているぶん、誰にでも起こりうる想定外の「飼育困難」。そんな状況を救ってくれるのが、老犬老猫ホームです。
ところで、見学に来られる方が一番気にされているのは、やはり費用です。
東京ペットホームでは、「一生預かり」の場合、飼養費として1日約1300円(猫の場合)必要になります。つまり、1日1300円×365日×年数。また、入居時には最低でも72万円がかかります。その内訳は、入居金24万円+飼養費1年分約48万円、医療費・介護費は別途必要になります。
ペットホテルの相場の半額以下の金額ではあるけれど、これが365日、毎年……ともなればやはりそれなりの金額に。
「ねこちゃんを幸せにするには、絶対に1日1300円必要というわけではありません。とてもフレンドリーで人間よりもねこちゃんがとにかく好き! ってタイプのねこちゃんだったら、大部屋で共同生活する方があっているかもしれません。そういうホームならもっと費用は抑えられます」
老猫ホームと一口に言っても、さまざまなスタイルがあるそう。しかし、「どのねこにも当てはまる万能ホームなんてないと思います」と帝さん。そのため、飼い主がじっくり見学し、責任をもって決めてほしいといいます。