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どうぶつ

ねこ達の余生 幸せのかたちとは 家での様子を聞いて“再現する”老犬老猫ホームの努力

公開日:  /  更新日:

著者:猫ねこ部

食事を介助される老猫。食べやすい姿勢に気を付ける【写真:猫ねこ部】
食事を介助される老猫。食べやすい姿勢に気を付ける【写真:猫ねこ部】

スキンシップはなるべくたくさん

 東京ペットホームのスタッフは、帝さん夫妻を含め10人。1日20時間、交代制で昼夜お世話をしています。

 帝さんの妻まいこさんによると、朝、施設に着いたらまずはねこ達のごはん。一食一食しっかりと食べる子には1日2回、朝と夕方にあげるなど、それぞれの食べ方に合わせているそう。

 その後、トイレとお部屋の掃除、ブラッシングや爪切り。1匹だとたいしたことではない日常のケアも、21匹いると時間がかかり、それでも、ブラッシングやグルーミングは毎日してあげたいと思っているのだとか。そして、スキンシップをなるべく多くとるように決めているそうです。

「ここに来たばかりの時はみんなシャーシャー言うし、引っかかれたりかまれたりすごいんです。ねこちゃんからすると怖いんですよね。1対1でしっかりと向き合えるおうちと違って、限られた時間しかその子に触れ合ってあげることができないので、絶対に1匹1匹毎日触れ合うようにしてます。スタッフのなかでも私が一番長い時間触れ合えるので、少しでも安心してもらえるようにと」

介護が必要なねこ達も快適に過ごせるよう工夫

 東京ペットホームでは、飼養費と別料金を払えば、介護が必要ないぬやねこも預かってもらえます。点滴やおむつ替え、自分で食べられない場合にはシリンジを使って強制給餌をすることもあるそうです。

「ねこちゃんは高齢になると腎臓や甲状腺の機能が低下する場合があり、預かっている12、3歳以上の多くのねこちゃんは腎臓が悪いです。なかには毎日皮下点滴とお薬をあげている子も……。病気とうまく付き合い、これ以上悪化させないための工夫をしています。医療費は飼い主さんの負担になりますので、あくまでも飼い主さんと相談した上で医療は進めていますね」

 東京ペットホームの本館であるキャットホームから、徒歩5分ほどにある2号館ドッグホームの向かいに動物病院があり、お昼休憩の時間帯などにワクチンを打ちにきてくれたりもするのだとか。深夜でもねこの様子を説明すると、獣医師が対応してくれるのだそうです。

「ねこは長生きなので、うちのホームで最長で24歳まで生きた子も。今現在も20歳の子が3、4匹。寝たきりの子もいますが、自分で食べトイレもしっかりできる元気な子もいます。ただ、以前はできていたことが少しずつできなくなったり……。だからトイレの前にシートをたくさん敷いておいて漏れてもいいようにとか、そういった工夫をしながら介護をしていくことが多いですね」

 ねこ達の相性を考えながら、なるべく自由に遊べるよう、お部屋に入れっぱなしにはせず共有スペースにねこ達を出してくれることも。

「おうちにいたときほど自由ではなくても、もう今ではみんなここが“おうち”。『ここはこういうルールなんだ』ってことがわかってますよ、みんなお利口なので」

取材協力:東京ペットホーム 公式サイト:http://www.tokyo-cathome.com/

(猫ねこ部)