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キャベツの不作は水やりをすればいいのでは?→農家「間違ってはいないです」 素朴な疑問に対する厳しい現実とは
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「いかに土へ水を浸透させるかがポイント」
投稿は反響を呼び、さまざまな声が寄せられました。それらの声に目を通し、大塚さんは「農作物に水をやることがどういうことなのか、あまり理解されていないことが可視化されたなと感じています」と話します。
「『ドローンのように技術レベルを上げて散布したらいいんじゃないか?』というような疑問が出ていましたが、根が広がる根域全体に水がないと、植物は栄養を上手に吸えません。さらに、水がないと肥料を効果的に使うこともできないため、大きく育つことができないのです」
水やりというと、園芸をするときのように、葉に水を与えるようなイメージがあるかもしれません。しかし、大塚さんによると、植物は根が本体のようなもの。いかに土へ水を浸透させるかが、生育の大きなポイントになるといいます。
「むしろ葉に水をかけると、葉の上の水滴がレンズ効果になり、葉が焼けたり水から病原菌が侵入したりするため、なるべく葉に水をかけないことが理想です。究極的には、イスラエルなどで行われている土耕養液栽培が理想です。とはいえ、その栽培方法ではおそらく1玉1000円以上の価格になってしまうと思います」
秋冬の収穫量は平年の60%以上減に
大塚さんの畑では今年度、夏どれのキャベツはとくに問題なく、例年通りの概ね60トン程度が収穫できました。しかし、秋冬は例年より小玉になったり、巻かずにフワッとして規格外になったりして、収穫量が減少。
「わかる範囲では、秋冬は例年の60%以上減の7.5トン程度の収穫量になりそうです。通年で見ると、秋冬が足を引っ張り、平年見込みの75%ぐらいになるかと思います」
キャベツの価格が高騰したことにより、大塚さんの会社では、減収分はなんとかリカバリーできる可能性があるそうです。しかし、地域によっては出荷が足りず、今回の不作で厳しい状況に陥っている農家も少なくないでしょう。
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今回のように、農業のリアルをSNSなどで発信している大塚さん。実は、14年前に東京のゲーム会社を退職し、現在の土地で新規就農しました。中山間地域の農業がわかる農業漫画「まとめ読み 育・農まんが うちの子も夢中です」も、noteで公開しています。
○取材協力:取材協力:うちの子ちゃん@農業マンガ25万PV達成!(@uchinoko_vege)さん
(Hint-Pot編集部)