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「それは捨てられない」「もらい泣きです」 古い電話機の留守電に残された亡き母の声 録音のプロになって息子が気付いた母の「気遣い」

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部/クロスメディアチーム

「私が関わった作品でエンドロールに名前が載っているのを見て喜んでくれる母のことを思い出します」

 偶然発見した、母の生前の声。miDumoさんは「親の深い愛情という面では嫌になるほど愛情を受けたので、うざったい反面、十分に伝えられませんでしたが同じくらい感謝しておりました。そのことをもっと伝えられていれば疎遠になることなく母を見送れたのかもしれないという後悔があります。いつでも自分を心配してくれるかけがえのない存在が母であり、また、今はまだ健在の父であることを改めて思い返しました。」 と母へのあふれる感謝、家族の大切さについて実感を込めます。

 吹き替え、アニメの録音や、CM、ドラマなどの録音を仕事に携わり、声や音のプロであるmiDumoさん。「今回のことを機に録音の可能性をまた新たに感じました。もし声で残したいメッセージがある方はご依頼いただければ出張録音も可能です」。新たな気付きがありました。

 それに、今回見つけた大事な母の声も、専門家として着実な方法で残していくそうです。

 miDumoさんは「私が関わった作品でエンドロールに名前が載っているのを見て喜んでくれる母のことを思い出します。その仕事の視点で20年越しに聞く母の声は、微妙な声のトーンから、私を追い詰めないように気遣いながらも、ちゃんと連絡をしてくれよ!……という親心の一心を感じました。

 この録音を消さなかったのは、当時から母が私を気にかけてくれることと、私がそれにちゃんと答えなかったことの葛藤から、消すにも聴くにも……。自分ではどうにもできなかったことや、いつか母もいなくなることを予見して消したくなかったという思いもありました。

 その後この録音は全く忘れてしまっていましたが、残しておいて正解でした。

 電話機本体はまだ捨てるかどうか悩むところですが、音は録音し直して別の媒体に移しておくつもりです。もし電話機を捨てる際も言霊の宿った物として丁寧な処分ができればと思っています」と話しています。

(Hint-Pot編集部/クロスメディアチーム)