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インフルエンザが流行中 市販の解熱剤に薬剤師が注意喚起 使ってはいけない市販薬の成分とは

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

発熱時は市販薬に頼ることも(写真はイメージ)【写真:PIXTA】
発熱時は市販薬に頼ることも(写真はイメージ)【写真:PIXTA】

 まだまだ油断はできないインフルエンザの拡大。厚生労働省の発表によると、2025年1月6日~12日1週間での定点あたり報告数は17万2417で、前年同時期の6万4027を大きく上回っている状況です。患者数の急増により、薬不足が大きな話題に。そうしたなかSNSでは、薬剤師が市販薬を活用する場合の注意点を呼びかけています。病院薬剤師として働きながら、X(ツイッター)などで情報発信しているKOUTY@薬剤師のすゝめ(@yakuzaishi1222)さんに、詳しいお話を伺いました。

 ◇ ◇ ◇

「薬剤師や登録販売者に相談を」

――KOUTYさんをはじめ、薬剤師の方がインフルエンザ流行中に発熱した際に、市販の解熱剤の活用も視野に入れるようアドバイスするのを目にします。

「いつもより体力が落ちているときに、さまざまな病気を持つ人が集まっている病院へ行くと、『病気をもらってしまうのでは……』と心配になる人もいるでしょう。また、病院に行く時間がなく、とりあえず熱を下げたいときがあるかと思います。

 きちんと医師の診断を受けて治療するのが理想ですが、微熱など様子を見る段階では、市販薬の解熱薬を利用するのも選択肢のひとつです」

――投稿で、インフルエンザが流行しているときは、アセトアミノフェンのみ配合されている市販の解熱薬をすすめています。アセトアミノフェンを推奨する理由について教えてください。

「インフルエンザは、インフルエンザウイルスに感染してから1~3日間の潜伏期間を経て発症します。38度以上の発熱が続く場合もあり、解熱薬を使用する場面がありますが、その際に注意することとして、インフルエンザ時はNSAIDs(アセチルサリチル酸、イブプロフェン、ロキソプロフェン等)を使用せずに、アセトアミノフェンを使用することです。

 理由としては、インフルエンザ時にNSAIDsを使用すると、インフルエンザ脳症を引き起こす可能性があるからです。インフルエンザ脳症とは、インフルエンザを発症したあと、重度の中枢神経症状を伴う急性脳症を発症する病気で、小児に多いとされています」

――アセトアミノフェンは、子どもでも服用できるのでしょうか? また、具体的な市販薬の例も教えてください。

「アセトアミノフェンは大人や高齢者、小児、妊娠中・授乳中の女性でも比較的安全に服用できます。インフルエンザによる発熱や頭痛・関節痛などの症状の際に、使用しましょう。

 市販薬では、成人であればタイレノールA、ノーシンアセトアミノフェン錠、ラックル速溶錠など、小児用であればバファリンC II、こどもパブロン坐薬などが該当します。薬局やドラッグストアで、薬剤師や登録販売者に服用する人の状態や症状を説明し、相談するのがおすすめです」