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彼氏のスマホ覗き見に強いストレス 「プライバシー侵害」に悩む女性に弁護士「損害賠償請求権が発生する可能性も」
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LINEの覗き見 民事上の損害賠償請求権が発生する場合も
いくら大好きな恋人であっても、踏み込んでほしくない領域はあるもの。それを守ってもらえないのであれば、関係を続けるのは困難です。康介さんの行為はプライバシーの侵害になるのか、弁護士の内原さんに伺いました。
「LINEの中身を覗き見る行為は、電気通信回線(インターネット)を通じて瑞樹さんのLINEにアクセスしているわけではないため、罪に問うことは難しいでしょう。しかし、瑞樹さんのスマホでLINEの中身を覗き見る行為であったとしても、覗き見る画面の内容や覗き見の態様によっては、プライバシー権の侵害を理由に民事上の損害賠償請求権が発生する可能性があります」
康介さんはLINEのメッセージを見るだけでなく、瑞樹さんのスマホから勝手にメッセージを送信していました。瑞樹さんを陥れるような内容ではなかったものの、許される行為ではありません。
「今回のケースで該当する可能性は低いですが、送信したメッセージの内容や送信の態様によっては、刑事罰が課される可能性もあります。たとえば、本人になりすまして送信したメッセージにより公然と本人の社会的な評価を低下させるおそれがある事実を摘示したといえる場合、名誉毀損罪が成立する可能性があります。また、送信したメッセージに本人の社会的な評価を低下させるおそれがある事実を含まなくても、公然と本人を侮辱する内容を含むのであれば侮辱罪が成立する可能性もあります」
スマホのチェックは過去の恋愛が原因
瑞樹さんから「このままでは結婚できない」と言われると、康介さんは、婚約していた彼女から裏切られた過去があることを明かしました。その彼女は康介さんとつきあいながら、ほかの男性と浮気。関係を続けたまま、康介さんと結婚しようとしていたといいます。
「情けない話だし、恥ずかしくて言えなかった。瑞樹を疑っているわけじゃないけど、同じことを繰り返したくないから……」と、過去の失敗から瑞樹さんを信用しきれなかったことを明かしました。
康介さんはもう二度とスマホを見ないと約束しましたが、瑞樹さんには強いストレスだけが残り、関係を解消することになったそうです。
成城大学法学部卒業。日本大学法科大学院(夜間主)修了。司法試験合格後、最高裁判所司法研修所(千葉地方裁判所配属)を修了し、弁護士法人若井綜合法律事務所に入所。同事務所で、恐喝や脅迫等の不当要求、不貞の慰謝料請求等の男女トラブル、刑事弁護、相続・知財・労働等の民事事件、繁華街で起こるトラブルなどを数多く担当している。
(Hint-Pot編集部)