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からだ・美容

精子に悪影響を及ぼすリスクも 妊活男性が今すぐやめるべき生活習慣とは

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:小松原 千暁

妊活を機に、精子のためにタバコはやめる

 2つ目は喫煙です。「女性だけ禁煙すれば良い」と思われがちですが、男性にとっても精巣機能に悪影響を及ぼすリスクがあります。

 タバコの三大有害物質として、ニコチン、タール、一酸化炭素が知られていますが、これ以外にタバコには約5300種類もの化学物質が含まれています。妊活中の男性が喫煙で有害物質を摂取することで、血流の悪化や精巣機能の低下、精子のDNA損傷などが起こる可能性があります。

「加熱式タバコならば、煙も出ないし害が少ないから大丈夫」というのも誤解です。販売開始からの年数が浅いためデータ蓄積が十分ではありませんが、多くの種類の有害化学物質が含まれていることは明らか。精子に悪い影響を与える可能性があります。タバコ葉を使用していない電子タバコについても、発がん性物質を発生するものがあるといった報告もあり、健康被害がないとは言えません。

 煙が出なくても、吸った人の呼気には目に見えない有害物質が含まれているので、近くにいるパートナーに害が及ぶことも想定されます。健康のためにも、妊活を機にタバコに変わるリフレッシュ方法を見つけるなど、禁煙に取り組んでいただきたいと思います。

タイトな下着で睾丸を締めつけるはやめる

 3つ目は下着です。ボクサーパンツやブリーフといったタイトな下着を着用すると、陰嚢を圧迫し、血流が悪くなって精子運動率が低下したり、陰嚢が体に密着して体温で温められることから、精子を作る働きが低下したりするリスクが指摘されています。

 精子を作るために適した環境は、精巣の状態が体温よりも約2~4度低い温度(約33度)に保たれていることです。睾丸を覆っている陰嚢の体温の中央値が、日中1度増加するごとに、精子濃度が40%減少したという研究報告もあります。

 そのため、精子のためには陰嚢を圧迫せず、下着内の熱を上げない、ゆったりとした通気性の良いパンツを選ぶようにすると良いでしょう。

 以上、3つの習慣について説明しましたが、妊活中ならば今すぐにでも、精子にとって良くないとされる生活習慣や環境の見直しをしてみてください。

 妊娠を目指して排卵日前はほぼ毎日性交しているのに、3か月経っても妊娠しない場合は、カップルで医療機関を受診して、検査を受けることをおすすめします。正しい知識を持って、妊活ライフを楽しみましょう。

(Hint-Pot編集部)

小松原 千暁(こまつばら・ちあき)

不妊症看護認定看護師、生殖医療コーディネーター、妊活支援ナース育成コーチ、日本生殖看護学会理事。不妊治療の専門クリニックに約20年間勤務した経験より、日本の性教育に妊娠する力の妊孕性(にんようせい)に関する情報が少ないことを実感。現在は生殖医療の看護師を指導する一方で、不妊治療を受ける患者さんや若い世代に向けて、自ら選択できるように妊活の正しい知識を広める活動を行う。妊活についての情報サイト「妊活の歩み方」でお役立ち情報を発信中。