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税理士が貯蓄よりも投資を勧める理由 怖い人は「コーヒー飲んだつもり」で500円から 20年後の違いは?

公開日:  /  更新日:

著者:板倉 京

コーヒーを飲んだつもりで投資に回したら、20年後にはどんな違いが?(写真はイメージ)【写真:PIXTA】
コーヒーを飲んだつもりで投資に回したら、20年後にはどんな違いが?(写真はイメージ)【写真:PIXTA】

 普通預金の金利引き上げが1月、大きな話題になりました。しかし、物価高騰などの影響で、生活は苦しくなる一方。少しでも将来のためにお金を残しておきたいなら「一日500円、コーヒーを飲んだつもり投資」を始めたほうが良いと勧めるのは、マネージャーナリストで税理士の板倉京さんです。月々は1万5000円でも、20年後には大きな差に。おすすめする理由を板倉さんが解説します。

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貯蓄していたら、実際の貨幣価値は目減りしてしまう

 新NISA制度が始まって、1年が経ちました。現在、NISAを利用している人は、18歳以上の4人に1人とのこと。これが多いのか少ないのかは議論の分かれるところかもしれませんが、私個人は「もっと多くの人が使えばいいのに」と思っています。

 お金は、動かさない限り勝手に増えてはくれません。

 普通預金の金利は0.1%程度(2025年2月現在)。100万円を1年間、普通預金に預けて受け取る利息は、税金を引いたあと800円弱。かつてのマイナス金利時代に比べれば少しはよいとはいえ、増えていると言える額ではありません。

 一方、物価は上がり続けています。総務省が発表した物価上昇指数は、2020年を100とすると2024年12月は110.7。食料品にいたっては、2020年を100とすると2024年12月は133とのこと。

 つまり、4年前に100万円で買えたものが、今は110万7000円になっているということ。食費に置き換えると、仮に月8万円(年間96万円)かかっていた家庭が、4年前と同じ食生活を続けるならば、月10万6400円(年間127万6000円)もかかるということです。

 NISAなどの資産運用は「元本割れがコワイ」と敬遠し、普通預金にお金を貯めこんでいたら、額面上の元本割れは避けることができても、実際の貨幣価値は目減りしてしまうというわけです。これでは、確実に財産を減らしているといえますよね。

一日500円を毎日投資すると、20年後には大きな違いに

 そこで、まだ「NISAを始めてみたいけど、怖くてスタートできていない」という方に始めてもらいたいのが「一日500円、コーヒーを飲んだつもり投資」です。

 コーヒーは飲んでしまえば、なくなってしまいます。そこで、コーヒーを飲んだつもりで、その分を毎日積み立てるのです。これなら、負担感なく「投資怖い」と思わず始められると思いませんか?

 では、一日500円を毎日投資するとどうなるのかを見ていきましょう。

 金融庁の調べによると、積立投資の平均利回りは、保有期間20年の場合、年2~8%程度とのこと。そこで、投資信託を毎日500円ずつ20年間積み立てた場合の結果を利回り3%・5%・8%の場合で見ていきたいと思います。

 毎日500円ということは、月1万5000円、年間18万円です。20年間では360万円の積立になります。結果は次の通り。

 利回り3%…492万円(元本+132万円)
 利回り5%…617万円(元本+257万円)
 利回り8%…884万円(元本+524万円)

 20年間、一日500円を積み立てるだけで、492万円~884万円の資産を築ける可能性があるということ! NISA制度を使えば、利益に税金がかかりませんから、すべて手取りになります。

 もちろん、リスクがないとはいいませんが、コーヒー代として消費してしまうことを考えれば、怖くないと思いませんか?