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税理士・板倉京が教える「つみたてNISA」 コツは「まず始める」こと

公開日:  /  更新日:

著者:板倉 京

積立投資ってどういうもの? お得なポイントも(写真はイメージ)【写真:写真AC】
積立投資ってどういうもの? お得なポイントも(写真はイメージ)【写真:写真AC】

「老後資金はどうやって貯めればいいの?」と不安を抱いている方は多いでしょう。少しでも上手に貯める方法はないものか。そこで、税理士の板倉京(いたくら・みやこ)さんが豊富な実務経験を基に、老後資金の不安に備えるためのさまざまな解決術をレクチャーします。多数のメディア出演経験や著書を持ち、2社の代表も務める板倉さんの連載第5回。今回のテーマは「つみたてNISA(ニーサ)」です。

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始めるとお得な2つのポイント

 つみたてNISAは、積立投資をする人なら使わない手はないお得な制度です。2018年にスタートし丸3年が経っているので、認知度も上がってきているとは思います。しかし、「ちゃんと理解できていない」「使い方が分からない」という方も少なくないでしょう。

 分かりやすく言うと「積立投資をして利益が出ても、税金がかからない特別な口座」です。対象となる商品は、金融庁が選んだ投資信託に限られます。投資できる期間は最長20年間(2018~37年)で、投資できる金額は年間40万円が限度です。

 お得ポイントは2つです。

1. 税金がかからない
 月3万円の積み立てを20年間続けると、積み立てたお金の総額は720万円になります。仮にこれが年3%(複利)で運用できた場合、運用利益は263万円。積み立て金額は約983万円に増えます。

 でも、「儲かるところに税金あり!」ですから、普通は運用で増えた金額(263万円)に対して約20%(53万円程度)の税金がかかってしまい、手取りは930万円になります。結構、大きな額ですよね。でも、つみたてNISAを利用すればこの税金がかかりません。これが最大のメリットです。

2. 投資する商品は金融庁のお墨付き
 もう一つのメリットは、安心な商品群から投資先を選べることです。

 投資を始める時に悩むのは「何を買えばいいのか?」です。実は、日本の投資信託は約6000本もあるんです。その中で、「買うに値する商品はそんなに多くない」ともいわれていて、初心者が自分で投資先を選ぶなんて……となりますよね。

 その点、つみたてNISAは対象となる商品を金融庁が厳選してくれます。22年2月時点で対象となる商品は200本程度。怪しい商品を国が事前に除外してくれているので、投資初心者にとっても安心です。つまり、示された対象商品から選べば、大きな失敗はしにくいということです(※必ず利益が出ることを保証しているわけではありません)。