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売れっ子税理士・板倉京が教える「毎日100円投資」の利点 老後のために始めるなら

公開日:  /  更新日:

著者:板倉 京

投資は「何だか怖い……」という人におすすめの低リスク運用法を伝授(写真はイメージ)【写真:写真AC】
投資は「何だか怖い……」という人におすすめの低リスク運用法を伝授(写真はイメージ)【写真:写真AC】

「老後に漠然とした不安がある」という人のほとんどは、お金に関することでしょう。何とか今から貯めたいけれど、少しでも上手に貯める方法はないものでしょうか? そこで、税理士の板倉京(いたくら・みやこ)さんが豊富な実務経験を基に、老後資金の不安に備えるためのさまざまな解決術をレクチャーします。多数のメディア出演経験や著書を持ち、2社の代表も務める板倉さんの連載第4回。今回のテーマは「100円投資のすすめ」です。

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普通預金だけでは安心できない 貨幣価値自体が下がることも

 前回まで「老後に必要なお金の計算方法」→「無駄な支出をなくす方法」→「無理なくお金が貯まる銀行口座の使い方」と順を追って紹介してきました。今回は、投資の始め方についてお話ししたいと思います。

「投資を始めてみましょう」と言うと、「少しくらい勉強してからじゃないと失敗しそうで怖い」という答えが多く返ってきます。

 その気持ち、よく分かります。私自身も数年前までそう考えていました。友人から「株の売買で儲けた」という話を聞くと、「あ~私もやってみたい。でも、ちゃんと理解してから始めないと、やっぱり怖い」と思い、なかなか踏み出せませんでした。でも、毎日の生活に追われていて、なかなか「投資の勉強」に取りかかれない。お金は普通預金に眠ったままという状況でした。

 今の普通預金には利息がほとんど付きません。例えば100万円を1年間預けた場合、その利息は10円程度。でも、お金を下ろすのには数百円単位で手数料がかかったりします。それだけでなく、インフレになれば実際の価値が下がります。インフレとは物の値段が上がって、お金の価値が下がること。国は年2%のインフレ(経済成長)を目標にしています。

 年2%のインフレが起こると、100円で買えていたものが来年は102円になります。仮にそのインフレが10年続くと、今の100円は約82円の価値に。10年間で約2割価値が下がるということです。資産を普通預金だけにしておくことは、こういったリスクがあるのです。

初めての投資 失敗しないための2か条とは

 というわけで、ぜひとも「投資」を検討していただきたいと思うのですが、初めての投資を失敗に終わらせないために、2つお伝えしたいことがあります。1つ目は「投資は思い切らない」、2つ目は「短期的な結果に一喜一憂しない」です。

○投資は思い切らない
 初めての投資なのに「普通預金に200万円あるから、半分の100万円くらいで何か投資商品を買ってみよう!」などと、思い切ったことをしてはいけません。万が一うまくいけば良いですが、ここで損をしてしまったら、きっと「もう一生、資産運用なんてしない!」という残念な結果になってしまいます。

○短期的な結果に一喜一憂しない
 投資を始めてみると、資産の増減が気になります。増えている時はうれしいけれど、減ってしまうと心がざわざわしてしまうもの。「これ以上下がったら大変!!」と思う気持ちも分かりますが、下がったところで慌てて売ってしまうと資産は減るだけです。

 経済は変動するものです。永遠に下がり続けることも、逆に上がり続けることもないと知って、長い目で見た資産運用が重要です。一般に、短期で売買をする投資は値動きが大きく、長期で持つほどに価格のぶれは収まってくるといわれています。