Hint-Pot | ヒントポット ―くらしがきらめく ヒントのギフト―

話題

「自分は恵まれている」 貧困母子家庭から博士課程へ進学…母から届いた手紙に感動 ネットも涙「素敵なお母様」

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部/クロスメディアチーム

この春から北海道大学の博士課程に進学するという吉行ゆきのさん【写真提供:吉行ゆきの@変態文学大学生(@yoshiyukiyukino)さん】
この春から北海道大学の博士課程に進学するという吉行ゆきのさん【写真提供:吉行ゆきの@変態文学大学生(@yoshiyukiyukino)さん】

 我が子に教育面での我慢はしてほしくないのが親心ですが、大学院、それも博士課程まで進学するとなると、その学費は相当な金額にのぼります。母子家庭から博士課程まで進学した娘への、切実な心情がつづられた母親のメッセージカードがネット上で話題を呼んでいます。27歳の誕生日を迎えた娘に対し、母親がつづった本音とは……。投稿者の吉行ゆきの@変態文学大学生(@yoshiyukiyukino)さんに詳しい話を聞きました。

 ◇ ◇ ◇

母と姉妹、親子3人の母子家庭で、ときに借金までしながら教育費を捻出

「田舎DQN夫婦から生まれ即貧困母子家庭の長女となるも、奇跡的に勉強をさせてもらえたために晴れて北海道最強親孝行コース『自宅通い北大生』になった末に選択した進路が『博士課程進学』だった私へ、母親の心情が切実に込められたメッセージカードがこちら」

 今月19日、SNS上に公開された1通のメッセージカード。そこには27歳の誕生日を迎えた娘に対する、母親の率直な思いがつづられています。

「もう27才なのですね…どんな社会人になるか楽しみにして、そしてもうその思いも消えてしまいそうです― が、いよいよこれからなのだと思うと元気でてきたところですわ―。
毎年思ってますが、いつまでも素直で思いのままに行動して欲しいと思ってますよ(色々文句も言うけど) 良き人生を…。 ままより」

 予期せぬ進路への困惑をにじませつつも、我が子の人生を応援する文面には、1万件近い“いいね”が殺到。「素敵なお母様」「泣いちゃった」「子供への『良き人生を』って言葉いいなー」「いい親御さんやなぁ ほんと、なんだかんだで子の幸せが一番」「自分も長々と大学、大学院に籍を置いていたので胸にくるものがある」「子をマスターまで進学させる親がDQNなわけない」「愛が詰まってるね」と感動の声が多数寄せられています。

 母と妹、親子3人の母子家庭で、この春から北海道大学の博士後期課程に進学するという投稿者。修士論文のテーマは「女性作家の官能小説」で、ポルノグラフィーを専門に、多様な性と表現規制についての研究を行っています。

「両親とも地元のヤンキー高校出身で、勉強とは無縁、いわゆる『DQN』と揶揄されるようなヤンチャな青年時代を送っていたと聞かされてきました。本が好きだったものの、勉強をさせてもらえない家庭環境にあった母は、離婚をきっかけに介護士から准看護師に転職。わずかな養育費とパート働きでは、生まれたばかりの妹とまだ6歳の私に満足な教育をさせてあげられないと、ときに借金までしながら勉強をさせてくれました」

 投稿の反響について、「『すてきなお母さん』というのが一番多かったです。現在も大学院に通っている学生としてはかなり貧乏な家庭ですが、世間体や損得度外視でやりたいことをやらせてくれ、なんでも応援してくれる自分の家庭は恵まれているのだと感じました」と投稿者。「勉強をさせてもらえることは当たり前ではなく、家庭環境によるものが大きいということをもっと知ってほしいと思いました。当たり前にすべての人に平等に教育がいき届く社会になってほしい、とは常々思っているので、それを再認識する機会になりました」と話しています。

(Hint-Pot編集部/クロスメディアチーム)