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からだ・美容

高熱を出すと精子がなくなる? 妊活にまつわる疑問や誤解 専門家に聞いた

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:小松原 千暁

頑張りたい夜は、ウナギやスッポンを食べたほうが良い?

 妊活中は食べ物を気にすることも多いと思います。ウナギやスッポンは精力がつく食べ物の代表として知られていますが、頑張りたい夜に食べたからといって即効性があるわけではありません。

 もちろん、ウナギやスッポンにはたんぱく質やビタミン、亜鉛、アルギニンなど、精子数の増加や精力向上が期待できる栄養成分が含まれています。したがって、その日だけ食べるよりも、バランスの良い食生活を前提に食べる機会を増やすことがおすすめです。

肥満が男性不妊になりやすいのは本当?

 肥満は脂肪によって血流が悪くなり、精巣温度が上昇します。妊活中の男性の肥満は、精巣機能の低下、精子のDNA損傷の増加が起こりやすく、不妊のリスクが高まる懸念があるので注意しましょう。

 肥満から糖尿病になると、血糖値の上昇により、精巣機能だけでなく勃起不全、精液が尿道から出てこない逆行性射精などが起こります。

 もちろん男性だけでなく、女性も肥満は妊活の大敵です。脂肪による血流の低下で卵巣や子宮の機能が低下、排卵障害や着床障害、流産・早産の原因にもなります。

 目安として、肥満指数のBMI(Body Mass Index)を男女とも24未満にすることを推奨します。BMIは体重(キログラム)を身長(メートル)の2乗で割ったものです。たとえば、165センチ、60キロの場合は60÷(1.65×1.65)で、BMIは約22.04となります。

 妊活に関する情報は多くありますが、なかには誤解されているものも少なくありません。正しい知識を持つことで無用な不安を減らし、より前向きに妊活に取り組みましょう。

(Hint-Pot編集部)

小松原 千暁(こまつばら・ちあき)

不妊症看護認定看護師、生殖医療コーディネーター、妊活支援ナース育成コーチ、日本生殖看護学会理事。不妊治療の専門クリニックに約20年間勤務した経験より、日本の性教育に妊娠する力の妊孕性(にんようせい)に関する情報が少ないことを実感。現在は生殖医療の看護師を指導する一方で、不妊治療を受ける患者さんや若い世代に向けて、自ら選択できるように妊活の正しい知識を広める活動を行う。妊活についての情報サイト「妊活の歩み方」でお役立ち情報を発信中。