からだ・美容
春に多い環境の変化でのストレス 更年期世代がとくにケアしたい目のかすみや老化防止に役立つ食養生
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春が近づいてくると、花粉症などのアレルギーに悩む人は少なくないでしょう。とくに更年期世代は、かすみや乾きなど、目の老化が気になる季節でもあります。更年期の女性の元気をサポートする、国際中医薬膳師のかみむら佳子さんによる連載。今回は中医学を基にした、春に起きる目の不調のとらえ方や、緩和に役立つおすすめの食材を紹介します。
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春に目のトラブルが起こりやすい理由
春は、仕事やプライベートで環境が変わることが多く、自律神経が乱れたりストレスを感じたりしやすい時期です。このような春を、中医学では「肝に負担がかかりやすい季節」ととらえます。
肝とは、中医学における「五臓」(肝・心・脾・肺・腎)のひとつ。血を貯蔵してめぐらせる肝臓などが関連し、全身の「気」の流れをスムーズにする大事な役割を担っています。その一方、自律神経の乱れやストレスの影響を受けやすい臓腑でもあるのです。
肝の働きが低下すると、気のめぐりが悪くなり、血流が滞ることでさまざまな不調につながっていきます。とくに目のトラブルとして現れるとされ、中医学では「肝は目に開竅(かいきょう)する」との言葉もあるほどです。開竅とは、五臓の機能が反映されやすい器官のこと。古くから、肝と目は密接なつながりを持つと考えられています。
目には、たくさんの毛細血管が集まっています。肝の働きが弱り、血を十分に蓄えられずめぐりが悪くなると、目に十分な血が届かず、かすみや乾燥など目の不調を起こすきっかけに。さらに、更年期に入ると、女性ホルモンの減少によって目の潤いを保つ機能が弱くなります。春特有の肝の不調も重なることで、更年期世代の人はとくに目のトラブルを感じやすくなるでしょう。