からだ・美容
春に多い環境の変化でのストレス 更年期世代がとくにケアしたい目のかすみや老化防止に役立つ食養生
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春の目のトラブルを養生する食材とは
ストレスが溜まりやすい春は、肝をいたわることが大切です。そこで、薬膳の食養生では、目のトラブルにクコの実をおすすめします。クコの実は、中医学では「養肝明目(ようかんめいもく)」の効能があるとし、まさに文字通り、肝を養うことで目の働きを整える食材と考えられています。
クコの実というと、杏仁豆腐にのっている赤い実としてなじみがある人もいるでしょう。ゴジベリーとも呼ばれ、老化防止や滋養強壮に役立つ、美容系のスーパーフードとしても知られています。
美容だけではなく、目がかすみやすい、ドライアイが気になる、目が充血しやすいなどの不調が春先にあれば、食養生としてクコの実を試してみるのもひとつの方法です。
タレやドレッシングにも クコの実の食べ方

クコの実は、ドライフルーツとして市場に出回っているのが一般的です。できれば有機栽培で大粒のものを買うよう、おすすめします。適度な甘味とほのかに感じる酸味が特徴です。食べる量は1日10~20粒を目安にしましょう。ただし、消化機能が弱って軟便のときなどは、食べるのを控えてください。
そのまま食べてもおいしいですが、普段飲んでいるお茶にクコの実を加えて飲むのもおすすめです。とくに春は、ジャスミンティーが適しています。気の流れを良くして気分を落ち着かせ、ストレス軽減に役立つと考えられているお茶です。クコの実を加えることで、肝の働きや目の機能をサポートする春の薬膳茶になります。お茶でやわらかくなったクコの実は、ドライフルーツとはまた違った風味に。残さず食べてみてください。
このほか、刻んだクコの実をタレやドレッシングに加えるのも、日常的に取り入れやすい方法です。たとえば、餃子のタレやゴマ和えの和え衣に加えてみましょう。市販のドレッシングなどを利用する場合は、タマネギやシソ、フレンチ、みそドレッシングなどにも合いますので、ぜひ試してみてください。
クコの実をたくさん買ったものの、使い切れずに残ってしまうという声もよく聞きます。お茶やタレ、ドレッシングのように普段の飲み物や食事にプラスする工夫をしながら、気軽に取り入れてみてはいかがでしょうか。
環境の変化などもあり、生活リズムの乱れやストレスを感じやすい春。薬膳の知恵を活用し、健やかに過ごしましょう。
(かみむら 佳子)
かみむら 佳子(かみむら・けいこ)
大学卒業後、ハウスメーカーの営業職にて勤務後、28歳でフードコーディネータースクールに通い、アシスタントを経て独立。35歳で第2子流産後に続いた体調不良をきっかけに、薬膳を学び始める。「あなたスタイル薬膳RKazen」を主宰し、身近な食材で手軽に養生を実践する簡単薬膳や中医学の指導、セミナーなどで活動中。