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更年期世代がセロリを食べるべき理由 イライラも軽減? 管理栄養士に聞いた
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教えてくれた人:藤田 えみこ

独特な香りとシャキシャキとした食感が特徴のセロリ。苦手な人もいるかもしれませんが、便秘やむくみなどに悩む更年期世代の女性にとっては、食べるべき栄養メリットがあるようです。栄養成分や効率的な食べ方などを、管理栄養士の藤田えみこさんに伺いました。
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葉も食べてほしい! セロリの栄養成分とは
セロリは、水分が多く低エネルギーですが、ビタミンやミネラル、食物繊維などをバランス良く含んでいます。更年期世代が食卓に取り入れたい野菜のひとつといえるでしょう。
セロリの食物繊維は、腸内環境を整え便通を促し、食後の血糖値の急激な上昇やコレステロールの吸収を抑制する働きが期待されます。体内の水分バランスを調節し、むくみの軽減や血圧のコントロールをサポートするカリウムも豊富です。コラーゲンの生成に欠かせないビタミンCも含んでいます。
独特の香りは、アピインという精油成分です。精神を安定させる働きがあることで注目されています。香りは好き嫌いが分かれるところですが、更年期特有の不安やイライラなどの緩和が期待されています。
栄養メリットを無駄なく摂取するならば、セロリは茎だけでなく葉も活用すると良いでしょう。茎に比べると、葉に多くの栄養成分が含まれています。ビタミン類や食物繊維はもちろん、免疫機能に働くβ-カロテン、骨を健康に保つためのビタミンKも豊富です。
セロリの効率の良い食べ方のコツとは
セロリは、生でも加熱してもおいしくいただけます。豊富なカリウムを効率良く摂るなら、野菜スティックなどにして、生のまま食べるのが良いでしょう。ピーラーなどを使って筋をしっかり取ると歯触りも良くなります。
クリームチーズやピーナッツバターにディップして食べると、セロリ独特のクセも気になりません。栄養価の高いおやつやおつまみとしてもおすすめです。
ほかにも、煮込み料理やスープなどに入れると、食べやすくなります。肉と一緒に煮込むと、肉の臭さを消してくれて、セロリの苦味がなくなり、おいしく仕上がります。汁ごといただける料理にすると、水に溶けてしまうカリウムやビタミンCも摂取できるでしょう。
また、葉は油と一緒に食べると、ビタミンAやビタミンKの吸収効率がより高まります。カルシウムを多く含む、桜エビやちりめんじゃこと一緒に炒めると、栄養価もアップ。さらにおいしくいただけます。更年期世代が気になる抗ストレス作用や骨の健康、免疫機能のサポートが期待できる一品になります。
新鮮なセロリを選ぶには、葉の緑が鮮やかで、茎は白くハリとつやがあり、筋がくっきり浮き出ているかを確認しましょう。
セロリが苦手な人にも食べやすい品種は、ホワイトセロリです。茎が細く白色で、葉はやわらかく緑色をしているので、一見ミツバに似ています。筋取りの必要はありません。普通のセロリよりクセがなく、食べやすいので、食卓に取り入れてみてください。
(Hint-Pot編集部)

藤田 えみこ(ふじた・えみこ)
管理栄養士。女子栄養大学卒業後、教育や医療・介護の現場の献立開発に携わる。結婚後、地元山口県へUターン移住。出産・育児を経て、栄養と献立を伝える現場へ転職。コロナ禍をきっかけにオンラインにて料理講師としての活動をスタート。痩せにくい世代へのダイエットメニュー、災害時に役立つ防災食講座などが人気。健やかな体作りのために、栄養や調理など食の知恵を発信する。2児の母。
インスタグラム:jitan.eiyo