からだ・美容
洗っているのに頭がかゆい、フケが出る…清潔にしているのになぜ? 頭皮トラブルの原因を医師が解説
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日々のヘアケアをしているはずなのに、頭皮のかゆみが気になる方もいるかもしれません。とくに、湿度が低くて寒い時季は皮膚のバリア機能が働きにくくなり、頭皮トラブルも起こりやすいそうです。頭皮のかゆみについて、アポロ美容外科の院長として日々、患者さんの皮膚トラブルと向き合う鬼沢正道医師に伺いました。
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頭皮のかゆみの原因とは
頭皮は、基本的には顔や手足などほかの皮膚と同じですが、皮脂腺や汗腺の数がより多い特徴があります。そのため、ほかの皮膚と比べて皮脂や汗の影響を受けやすく、なんらかの刺激でかゆみなどのトラブルを起こしやすい部位だと言えるでしょう。
とくに冬は乾燥した気候のうえ、室内で暖房を使用するなど頭皮が乾燥しやすい状態にあり、皮膚のバリア機能の破綻を招きやすく、かゆみが生じやすいこともあります。加えて、頭皮は体の一番高いところにあるので紫外線の影響を強く受けやすく、そのダメージの蓄積が冬場に症状として現れている可能性も否定できません。
普段から帽子をかぶらない人は、気づかないうちに頭頂部が紫外線の影響を受け、角化が進行してかゆみが出ることも。また、シャンプーやカラーリング剤、整髪剤に入った化合物に対するアレルギー反応も、頭皮のかゆみに関係します。無意識のうちに頭皮をかいている場合は、そのひっかき傷に化合物が過剰に反応して炎症をひどくさせる可能性もあるため、注意が必要です。
気をつけたいのは、髪の洗いすぎです。頭皮を守る皮脂を落としすぎて乾燥を助長させ、頭皮がかゆくなる可能性もあります。ゴシゴシ強く洗うことも皮脂の落としすぎにつながるので、優しく洗うように心がけてください。
頭皮の乾燥を防ぐためには、市販されている頭皮用の保湿剤などを使用することが好ましいでしょう。
しつこいかゆみや黄色いフケは病気?
しつこいかゆみは、脂漏性(しろうせい)皮膚炎の場合もあります。頭皮が赤くなり、黄色っぽいフケが出るのが特徴です。脂漏性皮膚炎は、皮脂腺の発達している男性に多いといわれますが、女性がなるケースも珍しくありません。かかりやすい年齢層(好発年齢)としては、乳児と40代前後の2層性のピークがあるといわれています。
赤ちゃんの場合、原因は、未発達のため毛穴に皮脂が詰まることにあります。一方、成人の場合は多岐にわたり、皮脂の過剰な貯留のほか、真菌(カビの一種)感染、食生活の乱れや喫煙などの生活習慣、ホルモンバランスの乱れなどが指摘されています。脂漏性皮膚炎は再発することが多く、根治することがなかなか難しい病態のひとつです。
このほか、頭皮のしつこいかゆみが続く場合は、アトピー性皮膚炎や尋常性乾癬(かんせん)などの可能性も考えられます。
一般的には対症療法が主体で、かゆみ止めとステロイドなどの抗炎症薬の外用が中心となります。真菌感染が関与する可能性がある場合は、抗真菌薬の内服、外用を並行して行うことも。かゆみを鎮めるためにも、早めに医療機関を受診しましょう。
(Hint-Pot編集部)