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「自分のこづかいくらい、自分で稼ぎなよ」 夫の転勤で仕事を辞めたのに…モラハラに豹変 夫婦カウンセラーのアドバイスとは
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教えてくれた人:夫婦カウンセラー・原嶋 めぐみ
免許取得を提案するも理不尽な理由で反対する夫
その後、夫からの小言は日々、増えていくばかり。
「パートくらいすれば?」
「自分のこづかいくらい、自分で稼ぎなよ」
「なんで毎日、何もしないでいられるの?」
さすがに腹を立てたけい子さんは、根本的な解決のために「車の免許を取る」ことを宣言しました。
「でも夫は、『は? 女が車? 危ないだろ、やめとけよ』と言い出したんです。自転車に乗ってパートへ行くにしても、雨天・荒天の日は無理ですよね。ましてや雪が降るエリアだったので、冬季に徒歩や自転車での移動は厳しくなります。そう訴えても、夫は『車の運転は男がするもの。女には無理』の一点張りで……」
結婚するまで、男尊女卑の考えは見えなかったといいます。ところが、転勤した途端、夫はけい子さんに対して驚くほど横柄に振る舞うようになりました。
「結局、半年にわたって夫と戦いましたが、夫は『女に免許はいらない』という意思を曲げませんでした。それなのに『いいからお前も働けよ』と。そんな夫に愛想を尽かして、すぐに離婚しちゃいましたけど、夫は私に何をしてほしかったんでしょうね」
夫はモラハラ 「離婚で良かったのでは」
「けい子さんの夫は、自分の思い通りにけい子さんを動かすことで、自己肯定感を高めたいと思っていたのではないでしょうか」
そう語るのは、夫婦カウンセラーの原嶋めぐみさん。けい子さんの夫のように、きつい言葉で責めて精神的な嫌がらせをするのは、いわゆるモラハラ。モラルハラスメントです。
「暴言を吐いたり、不機嫌なことを無視などの態度で露骨に表したりと、モラハラに当たる行為はさまざまあります。けい子さんが車の免許を取ろうとしているのに反対して束縛したり、車がないとできないと言っているのに、無理難題を押しつけて文句を言ったりするのもモラハラです」
モラハラを改善するには、カウンセリングを受けるといった方法はありますが、加害者も被害者も気づいていない場合が少なくないそうです。
「けい子さんの夫は、ある意味、けい子さんをうらやんでいたのでしょう。こうした性格はなかなか変えられるものではないので、離婚で良かったのではないでしょうか」
(和栗 恵)