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「あ。ここ、日本じゃなかった!」 トリニダード・トバゴ人が一時帰国でびっくり “逆カルチャーショック”を受けたこととは
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日本から1万4400キロ離れた島国、トリニダード・トバゴ共和国から移住してきたニコラスさん。九州地方に住んで、トータル6年になります。日本文化にすっかり慣れ親しんだニコラスさんは、一時帰国をした際、日本との違いに“逆カルチャーショック”を受けてしまったといいます。いったい何に驚いたのでしょうか。
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「旅の思い出をシェアしてもらっているようでうれしい」
JETプログラム(The Japan Exchange and Teaching Programme/語学指導等を行う外国青年招致事業)を利用して、2019年に日本へ移住したニコラスさん。現在は、熊本県にあるインターナショナル幼稚園で子どもたちに英語を教えたり、先生たちに対してどのように英語を教えればいいかコーチングをしたりしています。
移住できたのは「マジカルな機会だった」と言うように、ニコラスさんは日本の文化に驚きながらも尊重し、日々の生活を楽しく送っています。とくにお気に入りの文化は、意外なものでした。
「日本のお土産文化が、とても好きですね。バケーション中なのに旅行先で渡す人のことを考えて、商品を選んで、買ってきてわざわざ渡してくれる。楽しかった旅の思い出をシェアしてもらっているようで、とてもうれしく感じます」
海外にもお土産はありますが、日本のお土産文化はユニークだと感じたそう。日本には“ばらまき土産”という言葉があるほど、職場や学校、友人などに小さな消耗品を渡す人が多くいます。渡されても重く感じないような小さなものを渡すのは、休みの間、働いてくれた職場の人たちへの感謝の気持ちや、小さな幸せをお裾分けしたいといった気持ちが含まれているでしょう。
日本は家族や人を思いやる文化が発達している

「お盆」や「彼岸」といった日本特有の文化もまた、ニコラスさんを驚かせました。
「お盆って、すごくいい文化ですね。家族が離れて暮らしていても、お盆になるとみんないっせいに故郷へ帰ってきて、ご先祖様のことを思う。この文化はとても素晴らしいと思います。私自身も家族の仲はいいので、たまに家に帰りますが、日本ではお盆という家族が集まる時期が決まっていて、約束などしなくても集まってくる感じがいいです」
近年は、公共交通機関の混雑や車の渋滞緩和のため、お盆休みを分散する企業も増えてきています。それでも、多くの人はお盆や正月休みになるといっせいに休暇を取得。家族が自然と集まる日本の文化に、ニコラスさんはとても感心しました。
「あと、日本特有だと感じるのは『忘年会』です。私は忘年会も大好き。一年間、一生懸命働いたことに対して会社が『ありがとう』と言ってくれているみたいで、頑張った甲斐があったなぁと思えます。同僚の人たちと仕事に関係のないことで話ができるし、新年もみんなで頑張ろう! という気持ちが強くなります」
コロナ禍をきっかけにスタイルが大きく変化したものの、ニコラスさんは忘年会をとても新鮮に感じた様子。お盆や忘年会などは、働きやすさの観点から見直しされる傾向にあるようです。しかし、人間関係を円滑に進める側面もあることを忘れてはならないと、ニコラスさんの意見から考えさせられます。