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カルチャー

「あ。ここ、日本じゃなかった!」 トリニダード・トバゴ人が一時帰国でびっくり “逆カルチャーショック”を受けたこととは

公開日:  /  更新日:

著者:和栗 恵

帰国で驚いた意外なこと

年末にはトリニダード・トバゴへ一時帰国していたニコラスさん【写真提供:ニコラス】
年末にはトリニダード・トバゴへ一時帰国していたニコラスさん【写真提供:ニコラス】

 すっかり日本の文化に慣れ親しんでいるニコラスさん。実はこの冬、母国であるトリニダード・トバゴへ、約6年ぶりに里帰りしました。すると、日本の文化に染まりすぎてしまったがために、逆に母国で戸惑ったことがあるといいます。

「トリニダード・トバゴでは、誰にでも『おはよう!』などとあいさつをするんです。あいさつをしない人はルード(反社会的)な人だと思われてしまいます。ついそのことを忘れてしまっていて、いろいろな人から『おはよう!』と声をかけられて、しばらく経ってから『あ。ここ、日本じゃなかった!』って感じました」

 トリニダード・トバゴの明るい国民性が表れた、ちょっとおかしな失敗談。気持ちのいいあいさつで始まるのは、日本もぜひ見習いたい文化ですよね。

 ニコラスさんには、ほかにも“逆カルチャーショック”を受けたことがありました。

「信号無視の多さに驚きました。日本では、たとえ深夜で周囲に人がいない状況であっても、信号が赤なら車も歩行者も止まりますよね。母国では赤信号でも、通行者が少なければみんな普通に行ってしまうんです」

 外務省の海外安全情報によると、トリニダード・トバゴでは「横断歩行者に対しては積極的に道を譲る習慣はあるものの、一般的に運転者のマナーは悪く交通法規が遵守されておらず、当たり前のように優先車に割り込んでくる車両やスピード超過の車両も多いので、十分な注意が必要」とのこと。飲酒運転や速度超過による重大事故も頻繁なため、とくに夜間は「信号が青に変わっても、左右を確認するよう心がけてください」と呼びかけられています。

「ちなみに、歩行者用の信号は日本と同じように『赤』と『青』の2つしかありませんが、『点滅』がないんです。突然、信号が赤に変わるので、慌てることがあるんですよ」

 国が違えば、文化も大きく違うもの。外国人から見て「優れている」と感じてもらえる文化を、私たちは今後も大切にしていきたいものですね。

(和栗 恵)