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ニンジンの表面にできた黒いシミの正体とは 食べても問題ない? 栄養士に聞いた

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部、和漢 歩実

生でも加熱してもおいしいニンジン(写真はイメージ)【写真:写真AC】
生でも加熱してもおいしいニンジン(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 ニンジンは、彩りが良く、生でも加熱してもさまざまな料理に使えることから、買い置きしている人もいるでしょう。しかし実際に使おうと思ったら、表面に小さな黒いシミができていて、食べて良いものかどうか迷った経験がありませんか。この黒ずみは何なのでしょうか。栄養士で元家庭科教諭の和漢歩実さんに伺いました。

 ◇ ◇ ◇

ポリフェノールが酸化したもの 保存に気をつけよう

 ニンジンの表面にできた黒いシミのようなものは、ポリフェノールが酸化したことによる変色です。カビではありません。「褐変(かっぺん)現象」と呼ばれ、表面にキズがあったり、乾燥した環境にあったりすると起こりやすいといわれています。

 黒いシミができたニンジンを食べてもとくに問題ありません。気になる場合は皮を厚めにむいて調理しましょう。ただし、変な臭いがしたり、表面がぶよぶよしたりしているものは、傷んでいる可能性が高いので、食べないほうが良いでしょう。

 ニンジンは根菜類なので、白菜やホウレン草などの葉菜類よりも長持ちします。黒いシミを作らないためには、傷をつけず、乾燥しないように保存することを心がけましょう。

 常温で保存する場合は、キッチンペーパーなどで包んで乾燥を防ぎ、冷暗所へ。冷蔵庫で保存する場合も、冷蔵庫は常温よりも乾燥しやすいため、常温と同じくキッチンペーパーで包みビニール袋に入れます。冷蔵庫の野菜室に立てて保存すると鮮度を保ちやすいです。購入してきたら1週間ほどを目安に使い切りましょう。

 使いきれなかったニンジンは、ラップにピタッと包んで保存すると良いでしょう。カットしたニンジンは早めに使い切ってください。

ヘタの周囲が緑色でも食べられる

 ニンジンのヘタの周囲から肩部分にかけて緑色になっているものがありますが、この緑色の正体は「葉緑素」です。栽培中、ヘタ部分が土から外に出たことで日光があたって光合成をしたために、緑色に変色するといわれています。

 緑色のジャガイモは天然毒素で食べてはいけませんが、ニンジンの場合は切り落とさず料理に使って問題ありません。気になる場合は、切り落とし、皮を厚めにむいて使用しましょう。

まだまだ寒さが続くこれからの季節に

 ニンジンの代表的な栄養成分は、βカロテンです。ちなみにカロテンの名は英語の「キャロット」に由来しているといわれています。

 βカロテンは、必要時に体内でビタミンAに変換され、皮膚や粘膜を強くし免疫機能を高くするといわれています。まだまだ寒さが続き、風邪が気になる時期に積極的に摂取したい栄養成分です。ビタミンAは、脂溶性のため、油脂と一緒に摂ることで吸収率が高まります。

 ニンジンの1日の適量に決まりはとくにありませんが、野菜は1日350グラム以上摂取することが目標で、そのうちニンジンなどの緑黄色野菜は120グラム以上が望ましいといわれています。

 ほかの野菜とのバランスも心がけながら、上手に保存し、新鮮で栄養豊富なニンジンを取り入れていきましょう。

(Hint-Pot編集部、和漢 歩実)