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ニンジンのヘタから芽が! 味が落ちる理由や鮮度が良いものの選び方 プロが伝授

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:和漢 歩実

鮮やかなオレンジ色のニンジン(写真はイメージ)【写真:写真AC】
鮮やかなオレンジ色のニンジン(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 ニンジンはさまざまな品種がありますが、日本で多く流通しているのは西洋ニンジンと言われるものです。鮮やかなオレンジ色で、形は短めで太いのが特徴。年間を通して出回り、価格の変動が比較的少ない野菜でもありますが、旬は寒い季節でこれからがおいしい頃。栄養士の和漢歩実さんに、新鮮なものの選び方や保存のコツなどを伺いました。

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ニンジンの旬は晩秋から冬

 ニンジンは常に店頭に並んでいるので忘れがちですが、旬の時期が2回あります。春から夏にかけてと、これからの季節、晩秋から冬にかけてです。寒い時期に自身が凍らないよう糖を蓄えるといわれ、この時期に育ったニンジンは甘味があります。

 通年流通するのは品種改良や産地の違いから。日本で主に栽培されている主な品種は、芯まで赤く、甘味のある西洋ニンジン「五寸ニンジン」系です。気温18~21度が生育に適しているといわれています。

 私たちが普段食べているのは、根の部分。収穫しないまま冬になると、葉や茎は霜に当たって倒れて枯れていきますが、根は雪の中で生きています。冬の寒さで花芽ができて、春になると花を咲かせる茎が伸びて(とう立ち)白い小花が咲きます。

保存のコツは「立てる」 芽が出ても食べられる?

ニンジンのヘタを水に浸けて葉をリボべジ(写真はイメージ)【写真:写真AC】
ニンジンのヘタを水に浸けて葉をリボべジ(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 ニンジンは栄養価が高く、保存性に優れています。常にストックしている人も多いでしょう。うっかり芽が出ていることもあるかもしれませんが、芽が出ているニンジンを食べても問題はありません。

 しかし、芽に栄養を摂られてしまうため味は落ちます。それを防ぐのであれば、あらかじめヘタの部分を落として保存します。切り落としたヘタは水に浸けてリボべジ(リボーンベジタブル、再生野菜)を楽しむのも良いでしょう。

 保存は、乾燥を防ぐことを心がけましょう。きっちりとラップで包むか、またはキッチンペーパーで包み、ポリ袋に入れてから、プラスチックケースなどを活用して立てて保存すると長持ちします。ペーパーで包んだ場合は、ニンジンから水分が出てくるため、3日くらいおきに交換しましょう。保存場所には冷蔵庫の野菜室が向きます。

 旬の時期に大量に購入した場合、または使い切れない場合は、味が落ちないうちに使いやすい大きさにカットし、冷凍保存すると良いでしょう。いちょう切りや千切り、スライサーなどで薄くスライスして、冷凍用の袋に入れて冷凍庫へ。多少食感は変わりますが、そのまま煮込み料理やきんぴら炒めなどに使えます。