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ニンジンの栄養価 調理法でどのくらい変化? カレーや肉じゃがは栄養バランスが優秀
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教えてくれた人:和漢 歩実
シチューやカレー、肉じゃが、サラダなど食卓に欠かせないニンジン。甘い味わいで、子どもが好きな野菜の一つにもなっています。現在は品種改良され、通年出回るポピュラーな根菜ですが、旬は秋から冬にかけて。茹でや生など、調理方法によって栄養価に違いはあるのでしょうか? 栄養士の和漢歩実さんにお話を伺いました。
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ニンジン 調理による栄養の違い
晩秋から冬にかけて甘味が増し、さらにおいしくなるニンジン。抗酸化作用が期待されるβカロテンや、健やかな体づくりに欠かせないビタミンB群、カリウムなどが含まれます。生、茹で、油炒め(可食部100グラム、皮なし)の調理法による栄養価の違いについて、日本食品標準成分表2020年版(八訂)を基に見てみましょう。
○エネルギー
生:30キロカロリー
茹で:28キロカロリー
油炒め:103キロカロリー
○βカロテン
生:6700マイクログラム
茹で:7200マイクログラム
油炒め:9900マイクログラム
○カリウム
生:270ミリグラム
茹で:240ミリグラム
油炒め:400ミリグラム
○食物繊維
生:2.4グラム
茹で:2.8グラム
油炒め:3.1グラム
以上より、油との相性が良いと分かります。特に必要時に体内でビタミンAに変換されるβカロテンは、油脂と一緒に摂ることで吸収率が上昇。生で食べる場合も、ドレッシングにノンオイルではないものを適量使うと効率良くいただけます。
一方で、カリウムなど水溶性の栄養成分は茹でると流失してしまいます。蒸したり、電子レンジで加熱したりすると、栄養成分の損失量は少なく済むでしょう。みそ汁やスープの具材にして汁ごといただくのも良いですね。