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キュウリを冷蔵庫に入れてはダメ? 意外に知らない常温保存すべき野菜 栄養士に聞いた
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著者・教えてくれた人:和漢 歩実
冷蔵保存が適さない主な野菜
低温が苦手で、冷蔵保存が向かない主な野菜を紹介します。丸ごと購入した際の保存の目安にしてください。
○イモ類
ジャガイモ、サツマイモ、里芋など。冷蔵庫内の低温や乾燥により、水分が抜けて食感や味が悪くなります。とくにサツマイモは低温障害を起こしやすく、冷蔵庫に入れると腐敗の原因になることも。風通しの良い冷暗所での常温保存が適しています。ジャガイモは、日光による発芽を防ぐために、キッチンペーパーなどで包んでから冷暗所で保存すると良いでしょう。
○夏野菜
キュウリ、オクラ、ナス、ピーマン、トマトなど。夏野菜と呼ばれるものは、暑い季節が旬のため、低温に弱いのが特徴です。冷蔵庫で保存することで、低温障害を起こし、風味を損なう可能性もあります。冬から春にかけては常温保存が適しています。高温多湿の夏場は、キッチンペーパーなどで包んでからポリ袋に入れて、冷蔵庫の野菜室で保存すると鮮度を保てます。
○根菜類
ニンジン、ゴボウ、大根など。根菜類は、冷蔵庫の低温や乾燥により劣化しやすく、春先までは風通しの良い冷暗所での常温保存が適しています。泥付きのものは、そのまま保存するほうが長持ちします。葉がついていれば切り離したほうが良いです。ビニール袋に入っている場合は、袋から出し、紙に包んで保存しましょう。ビニール袋に入ったまま保存すると、湿気がこもってしまい、腐りやすくなります。
○その他
タマネギやカボチャも低温が苦手です。根菜類と同様に、風通しの良い冷暗所での常温保存が適しています。ただし春に出回る新タマネギは、水分が多く傷みやすいので、キッチンペーパーなどに包んで冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。
ただしカットした野菜は、そこから酸素に触れて腐敗しやすいので、冷蔵が苦手なものでもラップなどでピッタリと包んでから冷蔵保存してください。適切な保存方法で野菜の鮮度を保って、無駄なくおいしく活用したいですね。
(和漢 歩実)
(Hint-Pot編集部)
和漢 歩実(わかん・ゆみ)
栄養士、家庭科教諭、栄養薬膳士。公立高校の教諭として27年間、教壇に立つ。現在はフリーの立場で講師として食品学などを教える。現代栄養と古来の薬膳の知恵を取り入れた健やかな食生活を提唱。食を通して笑顔になる人を増やす活動に力を注いでいる。
ブログ:和漢歩実のおいしい栄養塾