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「ひどいことをたくさんしてしまいました」 夫に対してDVをしてしまった妻 夫婦カウンセラーの見解は

公開日:  /  更新日:

著者:和栗 恵

教えてくれた人:夫婦カウンセラー・原嶋 めぐみ

暴言や暴力が原因で夫と別居状態に(写真はイメージ)【写真:PIXTA】
暴言や暴力が原因で夫と別居状態に(写真はイメージ)【写真:PIXTA】

 ドメスティックバイオレンス(DV)の相談数が2023年に過去最多を記録するなど、社会問題になっています。男性が被害者のケースも増加。今回お話をうかがったのは、夫に暴言や暴力を振るってしまい、夫が家を出て行ってしまったという女性です。夫婦カウンセラーの回答とは。

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うまくいかない転職活動にイライラ

「何もかもうまくいかなくて、毎日イライラが止まりませんでした」

 自身の転職活動がきっかけで、夫婦関係に支障をきたしてしまったと話す、東京在住の鈴木亜沙子さん(仮名・32歳)。これまでずっと新卒で入社した中小企業で働いてきた亜沙子さんは、30歳を過ぎてキャリアアップを目指し、転職エージェントに登録することにしました。

 現在の勤務先よりも大手で、雇用条件が良い会社をいくつか紹介してもらい、採用試験はトントン拍子に進んだといいます。そして、本命だった会社から内定をもらえ、職場に退職を願い出ましたが、ここで問題が起きました。

「躍起になって引き留めてきたんです。もう、あの手この手って感じで。辞めたいって何度も言っているのに、上長が受け付けてくれなくて。結局、入社日の延期をお願いしたのですが、次の具体的な日にちを提示できず、転職の話が流れてしまったんですよ」

 新卒から働いていた思い入れもあり、円満退社を望んでいた亜沙子さん。その後も転職活動を続けていますが、エージェントからの信頼を失ったことも影響したのか、このときの条件より良い転職先は見つかっていません。

 うまくいかない退職交渉や転職活動に、心が荒んでいったという亜沙子さん。そのイライラは、最も身近な存在であった夫に向かっていきました。

「夫に対して暴言を吐いたり、背中を叩いたり、時には物を投げつけたり……。けっこうひどいことをたくさんしてしまいました」

 優しくて穏やかな夫に甘えすぎてしまっていたと反省する亜沙子さん。しかし、亜沙子さんの暴言や暴力に耐えかねた夫は「離婚したい」と言って、家に帰ってこなくなってしまったそうです。