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似ているようで違う「めかぶ」と「もずく」 特徴や栄養価の違いを栄養士に聞いた
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教えてくれた人:和漢 歩実

スーパーマーケットなどで手軽に購入できる「めかぶ」と「もずく」。どちらも海藻類で、見た目も似ていることから、どちらを買ったら良いか迷うことがあるかもしれません。ともに粘りがあり体に良さそうですが、栄養面では違いがあるのでしょうか? 栄養士で元家庭科教諭の和漢歩実さんに伺いました。
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水溶性食物繊維に特徴の違いがある
めかぶともずくは、一見似ていますが、異なる種類の海藻です。めかぶはワカメの一部で、根元付近にある、胞子葉と呼ばれるひだ状の部分を指します。店頭でパックに入って売られているものは緑色で、細かく刻まれて粘りがあるのが特徴です。
一方、もずくはもともと糸のような細い形状で、茶褐色から黒っぽい色をしたものがパックで売られています。「沖縄もずく」「糸もずく」「岩もずく」があり、沖縄県が生産量1位です。
めかぶともずくの栄養メリットについては優劣つけがたく、それぞれに良さがあります。特徴的な栄養成分として、海藻類特有のぬめり成分である水溶性食物繊維の一種、アルギン酸やフコイダンが挙げられます。
どちらも腸内環境の改善や免疫機能の向上とともに、食後の血糖値の急上昇を防いだり、血中コレステロール値を下げたりする効果が知られる成分です。とくにアルギン酸には、塩分の体内吸収を抑制する働きがあり、高血圧などの生活習慣予防の有効性も注目されています。また、フコイダンはがん予防が期待されます。
これらの水溶性食物繊維は、めかぶにももずくにも含まれていますが、アルギン酸がより多いのはめかぶ、フコイダンがより多いのはもずくです。期待される効果を発揮させるためには、食事の前または食事の最初に食べるのが良いといわれています。