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似ているようで違う「めかぶ」と「もずく」 特徴や栄養価の違いを栄養士に聞いた

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:和漢 歩実

栄養価で言えば、めかぶのほうがやや高め

 このほか、ミネラルやビタミンなど、どちらにも共通した成分が含まれています。たとえば、丈夫な歯や骨を作るために欠かせないカルシウム、余分な塩分を排出し、むくみの予防に大切なカリウム、また貧血予防や血管の健康維持をサポートする葉酸などです。

 栄養価について、「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」(可食部100グラムあたり)の数字を基に比較してみましょう。

○エネルギー
めかぶ:14キロカロリー
もずく:4キロカロリー

○カルシウム
めかぶ:77ミリグラム
もずく:22ミリグラム

○カリウム
めかぶ:88ミリグラム
もずく:2ミリグラム

○葉酸
めかぶ:36マイクログラム
もずく:2マイクログラム

○食物繊維
めかぶ:3.4グラム
もずく:1.4グラム

○たんぱく質
めかぶ:0.9グラム
もずく:0.2グラム

 以上から、カルシウムやカリウム、葉酸などの栄養素をより多く摂取したい場合は、めかぶのほうが良いと言えるでしょう。カロリー摂取が気になるのであれば、もずくのほうが低エネルギーです。しかし、100グラムに対して14キロカロリーのめかぶも、決してエネルギーは高くありません。もずくとめかぶを合わせて食べるのもおいしいです。

タレや酢で味つけされたものは糖質や塩分量に注意

日持ちするもずく酢(写真はイメージ)【写真:写真AC】
日持ちするもずく酢(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 日持ちするよう、もずくは「もずく酢」として販売されているものが多いです。フコイダンなどの食物繊維は酢との相性が良く、一緒に摂取すると腸内環境を整えるなどの相乗効果が期待できます。しかし、市販のもずく酢の酢は、糖質や塩分の量が少なくないので、汁を残すなどして控えめに摂取しましょう。タレで味つけされためかぶも同様です。タレが別添えの場合は、使う量を少なめにしたほうが良いでしょう。

 そのまま食べられるタイプのものはどちらも手軽に食べられますが、野菜や納豆と和えたり、冷ややっこや麺類のトッピングにしたりしても合います。味がついていないものであれば、みそ汁やスープなど汁物に加えてもおいしいです。

 体に良いからといって食べすぎると、どちらも下痢になるリスクがあります。また、海藻類に多く含まれるヨウ素をとりすぎてしまうと、甲状腺腫などの心配も。1日1パックを目安に、適量を取り入れてみてください。

(Hint-Pot編集部)

和漢 歩実(わかん・ゆみ)

栄養士、家庭科教諭、栄養薬膳士。公立高校の教諭として27年間、教壇に立つ。現在はフリーの立場で講師として食品学などを教える。現代栄養と古来の薬膳の知恵を取り入れた健やかな食生活を提唱。食を通して笑顔になる人を増やす活動に力を注いでいる。
ブログ:和漢歩実のおいしい栄養塾